【開幕】コレクター秘蔵の初公開作品も 特別展「良寛の書の世界 ~清らかな書の成り立ち~」(東京黎明アートルーム)

江戸時代後期の曹洞宗僧侶であり、歌人、漢詩人、書家としても活躍した良寛の書の作品に着目した特別展「良寛の書の世界 ~清らかな書の成り立ち~」が、東京黎明アートルームで開幕しました。


富や名声を求めず、托鉢僧として村人たちに溶け込む生活を送るなかで、内面を深化させ、無我のなかにある本当の自分を求めた良寛は、和歌・漢詩を能くし、優れて独創的な書を遺したことで知られています。本展では、日本有数の良寛コレクター秘蔵の作品を中心として、初公開作品を含む47件の「良寛の書」を展観するもの。


なかでも、良寛の書法の成り立ちについて丁寧に作品を通して展覧しているのが本展の特徴です。良寛は40~50歳代に仮名、草書を学び、そこから晩年に向けて変化に富んだ書風を築いていきました。その鍛錬に用いた古典作品についても紹介しています。


そして、見どころのひとつが《六曲屏風一双 漢詩 八月初一日》。良寛の草書屏風を代表する、自由かつ芸術性の高い作品となっています。左隻の第六扇に記された『沙門良寛書』の署名も必見です。

《六曲屏風一双 漢詩 八月初一日》

特別展「良寛の書の世界 ~清らかな書の成り立ち~」は7月11日まで。

特別展 良寛の書の世界