芸術新潮6月号の特集は「マティスのとびら 解き放たれた色と形」

芸術新潮2023年6月号が5月25日(木)に刊行されました。東京都美術館で開催されている「マティス展」で今あらためて注目を集めているアンリ・マティスを特集します。
担当した編集部の天野祐里さんは、次のように話しています。
「小学生の時、母が海外旅行のお土産に3枚のポスターを買ってきて家の中に貼り出しました。
絵はそれぞれオキーフとマティスとブラマンクで、文字も入っていたから、何か展覧会のポスターだったんでしょう。
思えばそれが、マティスという画家の存在を知った最初。
絵は、画家晩年の室内画群の連作のうち、《赤い室内、青いテーブルの上の静物》(1947年)でした。
部屋の中の様子が描かれていて、右手に窓が開いていることはわかりましたが、壁と床の関係、屋外と屋内の関係はどうなっているんだろうと子供ごころに不思議に思いながら見ていました。
今回の特集では、早稲田大学の関直子先生が、〈布〉に注目しながら室内画におけるマティスの試みを読み解いてくださったのですが、長年の疑問が氷解する感じで楽しかったです。
特集では絵画だけでなく彫刻、切り紙絵という、マティスがチャレンジした主な三つの技法を意識的にフラットに取り上げました。
東京都美術館で開催中のマティス展も、彫刻をかなりしっかり見せていて、特に《背中》の連作はサイズも大きいですし、絵画と絡み合いながらの展開も面白く、とても見ごたえがありますよ」
定価1500円。購入は、書店や芸術新潮のサイトから各インターネット書店で。
(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班)