【開幕】「岩波昭彦展~都市の肖像+Compositions~」6月1日まで、そごう横浜店美術画廊で

ニューヨークの摩天楼をテーマにするなど、日本画の新たな可能性を追求する岩波昭彦さん(1966ー)の個展が、そごう横浜店美術画廊で始まりました。
ニューヨークのクライスラービルや東京タワーの夜景など、岩波さんがライフワークとしている「都市の肖像」シリーズが、まずは目を引きます。ビル群を描く時は、明るいうちに正確にデッサンをして、日が沈んだ後の情景は想像力を駆使して描いていきます。そのまま描くと、窓の明かりなどは意外に少なく、暗くなり過ぎてしまうそうです。写真以上のリアリティテーは、画家の創造力が生み出しています。
一方、建物の位置関係などは正確にとらえています。そこには「何百年も残った場合、歴史的資料になるように」という壮大な意欲も込められています。

日本画らしい寺院の絵でも、圧倒的な画力が光ります。「アメリカの建物は熱量に溢れ、日本のお寺は静かなたたずまいですが、どちらも造形的に美しく心惹かれます」と岩波さん。異なったように見えるテーマも、作家の中では<美>でつながっています。

武者絵や合戦図などは子供の時から描いていました。多摩美大の卒業制作にも武者絵を出品して異彩を放ったそうです。

一方、海外では抽象画家として活動しています。油絵ではなく、岩絵具や金箔を使った日本画による独特な抽象画は、海外で高く評価されています。本展は作品数は約20点と多くはありませんが、岩波昭彦という意欲的な挑戦を続けるアーティストの概要を知ることができる、良い機会となっています。(読売新聞美術展ナビ・若水浩)
岩波昭彦展~都市の肖像+Compositions~ |
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会場:そごう横浜店 6階美術画廊 |
会期:2023年5月23日(火)~6月1日(木) |
休館日:期間中はなし |
開館時間:午前10時~午後8時(最終日は午後4時閉場) |
入場無料 |
詳しくは同展サイト |