日本初「エルマーのぼうけん」展 世界的ベストセラーの原画を紹介、体験型の展示も 憧れの冒険の旅に出かけよう! PLAY! MUSEUMで7月15日開幕

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「エルマーのぼうけん展」メインビジュアル

「エルマーのぼうけん」展
会場:PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3 棟 2F)
会期:2023年7月15日(土)~10月1日(日)
アクセス:JR立川駅北口・多摩モノレール立川北駅北口より徒歩約10分
開館時間:10:00~18:00(最終入場は17:30まで)
電話:042-518-9625
入場料(税込):一般 1,800 円 、大学生 1,200 円、高校生 1,000 円、中・小学生 600 円、未就学児無料
〇割引制度あり(立川市在住・在学者、障害者など)
※会期中無休
※当日券で入場できます。休日および混雑が予想される日は事前決済の日付指定券(オンラインチケット)がおすすめです。詳細は、https://play2020.jp/article/elmer/へ。
協力:福音館書店
音響協力:Audio-Technica

世界的ベストセラー、日本では累計700万部

「エルマーのぼうけん」。大人も子供も一度は手にしたことがある物語ではないでしょうか?どうぶつ島にとらわれたりゅうの子を助けに行く、9才の男の子エルマーの冒険物語です。1948年から51年にかけて、『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』(文:ルース・S・ガネット、挿絵:義理の母ルース・C・ガネット。日本語版はいずれも福音館書店刊)の3冊の物語がアメリカで出版され、日本では累計700万部を超すベストセラーとして広く愛されています。

(左から)『エルマーぼうけん』1963年、『エルマーとりゅう』1964年、『エルマーと16ぴきのりゅう』1965年(いずれも福音館書店)

「他者を受け入れる」 大人にも向けたメッセージ

少年エルマーは、りゅうの子やその家族を助けるために、お父さんとお母さんと暮らす家を飛び出し冒険の旅に出ます。恐ろしい動物たち、不思議な病気、そして大人の人間たちという困難に出遭うたびに、エルマーは対立することなく受け止めて、自分の手元の道具や知恵を使い、機転をきかせて乗り越えていきます。自分と異なる他者を受け入れ、争わず知恵を使ってトラブルを解決する姿勢は、作者ガネットが物語で一貫して伝える子どものみならず、大人にも向けられています。

作者のルース・スタイルス・ガネット

130点を超す原画など紹介、絵本の世界に入れる展示も

日本初となるこの展覧会では、70年以上前に描かれた130点を超す貴重な原画やダミー本など制作の資料を日本で初公開。さらに、エルマーの冒険を会場内で楽しむために、絵本の世界に入って遊べる4つの展示が用意されています。自分がエルマーになったように、ワニの背中をジャンプして川を渡ったり、嵐の中、りゅうとともに海を超えたり、そらいろこうげんに向けて空を飛び、15匹の捕われのりゅうを見つけ一緒に脱出することができます。楽しいミュージアムで、大人も子どもも、憧れの冒険の旅へ出かけてみるのはいかがですか。

5つの見どころ紹介

①約130点の美しい絵本原画、貴重なダミー本や「りゅう」の人形を初公開

アメリカ・ミネソタ大学図書館のカーラン・コレクションが所蔵する約130点の原画を日本で初めて公開します。70年以上前に描かれた、目の覚める色鮮やかな表紙や地図、鉛筆で丁寧に描かれた細密な挿絵は必見です。

『エルマーとりゅう』原画 1950年 © Dragon Trilogy Irrevocable Trust
Kerlan Collection of Children’s Literature, University of Minnesota Libraries, USA.
『エルマーのぼうけん』原画 1948年 © Dragon Trilogy Irrevocable Trust
Kerlan Collection of Children’s Literature, University of Minnesota Libraries, USA.
『エルマーと16ぴきのりゅう』原画 1951年 © Dragon Trilogy Irrevocable Trust
Kerlan Collection of Children’s Literature, University of Minnesota Libraries, USA.

初公開となる制作資料

フェルトでできたりゅうのぬいぐるみ 1940年代
ぬいぐるみを作るためのフェルトでできた原画 1940年代

②エルマーになった気分で冒険に出発。4つのシーンで物語の世界を体験する展覧会

絵本の世界の中に入り、自分が主人公・エルマーになった気分で楽しむことができます。4つのシーンを中心に、光や映像、立体造作による演出によって、わくわくする冒険を体験できます。動物たちの鳴き声、りゅうが羽ばたき空を飛ぶ音、洞穴から脱出するりゅうたちの大さわぎが聞こえてくる、Audio-Technicaの協力で実現する「音を感じる展覧会」です。ワニの背中をジャンプして川を渡ったり、 嵐の中をりゅうとともに空を飛んだり、 洞穴に捕われた15ぴきのりゅうを見つけて一緒に脱出したり、など名場面をリアルに体感します。

『エルマーと16ぴきのりゅう』原画 1951年 © Dragon Trilogy Irrevocable Trust
Kerlan Collection of Children’s Literature, University of Minnesota Libraries, USA.
『エルマーのぼうけん』原画 1948年 © Dragon Trilogy Irrevocable Trust
Kerlan Collection of Children’s Literature, University of Minnesota Libraries, USA.
『エルマーとりゅう』原画 1950年 © Dragon Trilogy Irrevocable Trust
Kerlan Collection of Children’s Literature, University of Minnesota Libraries, USA.
『エルマーと16ぴきのりゅう』原画 1951年 © Dragon Trilogy Irrevocable Trust
Kerlan Collection of Children’s Literature, University of Minnesota Libraries, USA.

③ぬいぐるみ、スノードーム、冒険のおとものキャンデーや歯ブラシまで!盛りだくさんのオリジナルグッズ

併設のPLAY! SHOPには日本初のエルマー・グッズがずらり。りゅうのぬいぐるみやマスコット、スノードームといった立体、さらには美しい原画をあしらった「Dragonʼ s Market」ブランドのヴィンテージ感あるカップ&ソーサーやバッグ、雑貨類などです。

「エルマーのぼうけん」展 オリジナルグッズ ボリスのぬいぐるみ(参考)
「エルマーのぼうけん」展 オリジナルグッズ スノードーム(参考)

④エルマーシリーズの作者ルース・スタイルス・ガネットとは?豊富な資料で作者の人物像を紐解く

ガネットが作ったイヌ、トリの置き物

ルース・スタイルス・ガネット(Ruth Stiles Gannett)は、1923年ニューヨーク生まれ。彼女は幼い頃からお話を考えるのが好きで、22歳のときに書き始めた『エルマーのぼうけん』を1948年に出版。挿絵は義理の母で挿絵画家のルース・クリスマン・ガネットが手掛けました。『エルマーのぼうけん』は1948年、当時ニューベリー賞と並んで権威のあった、ニューヨーク・ヘラルド・
トリビューン春の児童図書賞を受賞し、翌年には、ニューベリー賞オナーブックにも選ばれました。シリーズ3冊は世界的なベストセラーとして現在も愛され続けています。展覧会では、ガネットが幼い頃にお話や絵を書いたノート、自作の小さなオブジェ、ガネットの数多くの写真を展示します。

ガネットの子どもの頃の絵と文章ノート

⑤各界で活躍する100人が冒険の書を推薦。古今東西の “ぼうけん” が大集合する「ぼうけん図書館」が開館!

会場内に「ぼうけん図書館」をひらき、世界中の「ぼうけんの書」を紹介します。大草原、空中、海底、洞窟、無人島や秘境への大冒険。そして宇宙や体内、未来へのファンタジックな冒険、物理や科学、数学など知的な冒険。冒険家、写真家、学者、スポーツ選手、絵本作家や文学者ら、挑戦する方々がおすすめする本がたくさん並びます。そのほか、来場者にも自宅に眠っていたぼうけんの書をもちよってもらい、ぼうけん図書館は広がっていきます。

「エルマーのぼうけん展」メインビジュアル

(美術展ナビ編集班 岡部匡志)