新選組題材のオペラ出演者、土方歳三資料館を訪問 「和泉守兼定」などと対面 6月16日に地元・日野で公演

土方歳三の写真を仰ぎ見る土方役の内田智一さんと脚本・演出の吉田知明さん(右)

新選組結成160年を記念したオペラの出演者らが、東京都日野市の土方歳三資料館を訪問、歳三の愛刀「和泉守兼定」などと対面しました。

土方歳三の位牌に手を合わせる土方役の内田さん

「幕末オペラ新選組外伝『歳三を愛した女』」は新選組が文久3年(1863年)に創設されたのを記念して制作。昨年は名古屋、京都、札幌など6都市で上演され、好評を博しました。今年は新選組ゆかりの会津若松市で5月20日に上演。日野市では6月16日(金)に公演が予定されています。

土方歳三の生家跡にある土方歳三資料館を訪れたのは、オペラ歌手で土方歳三を演じる内田智一さん、原作・作詞のあおい英斗さん、脚本・演出の吉田知明さん(会津公演では「近藤勇」役)ら。土方歳三の兄より数えて6代目にあたる同館館長・土方愛さんの案内で、直筆の書簡、歳三が池田屋事件で使用した鎖帷子、土方家伝来の十文字槍などを見学しました。

館長の土方愛さん(中央)の案内で、「和泉守兼定」などゆかりの資料をじっくり拝見

土方役の内田さんは「ゆかりの品を間近で拝見して、改めて土方さんの存在の大きさ、偉大さをかみしめました。舞台に立ったら、土方さんが近くで見ていてくだるような気がします」と感無量の表情でした。

慶喜家の末裔も協力

今回の訪問は、徳川慶喜の玄孫で、慶喜家5代当主である山岸美喜さんが、オペラ制作者側と土方愛さん双方に面識があり、山岸さんの橋渡しで実現。山岸さんは「慶喜にとっても深い縁のある新選組ですし、土方さんたちのことを真剣に考えてくれる人たちを応援したいです」と言います。

「和泉守兼定」を囲んで左から原作・作詞のあおい英斗さん、土方愛さん、山岸美喜さん、内田智一さん、脚本・演出の吉田知明さん(東京都日野市の土方歳三資料館で)

「歴史は語られなければ忘れ去られてしまう」

同オペラは土方を愛した架空の女性の視点から見た新選組やその周辺の人々を描きます。フィクションを含んだストーリーですが、土方愛さんは「歴史は語らなければ忘れ去られてしまいます。リスペクトがあればどんな形で描いていただいても嬉しい限りです。今回は地元で公演があるので、ぜひ足を運びたいと思っています」と笑顔で話していました。

来年には熊本で展覧会も

土方歳三資料館は現在、資料整理などのため長期の休館中。ただし来年初めには熊本県立美術館で「土方歳三資料館×肥後熊本藩展」(1月10日~3月24日)が予定されており、同館の貴重な資料が熊本で見られることになってます。「今後も全国で新選組・幕末史研究が進むよう、活動していきたいと思います」と土方愛さんは話していました。

幕末オペラ 新選組外伝『歳三を愛した女』
会場:ひの煉瓦ホール(日野市民会館 大ホール、東京都日野市神明1-12-1)
日時:2023年6月16日(金)開場17:15 開演18:00
キャスト:土方歳三‥内田智一、お弥代‥ダンドイ舞莉花、近藤勇‥志村糧一、沖田総司‥三木佑真、桂小五郎‥吉武大地、伊藤博文‥柿迫秀、薩摩浪人‥加藤哲也、高田堅介、旗本/番頭‥大沼竣
●原作・作詞 あおい英斗 ●脚本・演出 吉田知明 ●作曲・音楽監督 中村匡宏
チケット(全席指定):一般:前売¥8,000/当日¥8,500
高校生以下:前売・当日ともに¥4,000
※前売りの時点で満席となる場合、当日券の販売はしません。
公式ホームページ:https://event.menicon-ba.co.jp/event_info/event.php?id=289
[主催] 株式会社マミ、日本新作ミュージカル制作委員会
[協賛] 株式会社メニコン
[制作] 株式会社カンパニーイースト、メニコンビジネスアシスト(MBA)イベント・クリエーション部
問い合わせ:メニコンビジネスアシスト イベント・クリエーション部(052‐935‐1630)

(美術展ナビ編集班 岡部匡志)