【開幕】「はじめてのBL展」 半世紀の歴史、その厚みと広がりを体感 角川武蔵野ミュージアムで7月16日まで

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角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市)で開幕した「はじめてのBL展」。熱心なファンで賑わう初日の会場を取材してきました。BL(ボーイズラブ)文化の厚みと広がりを実感させる充実の展示。竹宮惠子先生の「風と木の詩」のキービジュアルが印象的なエントランスです。

はじめてのBL展
会場:角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市東所沢和田3—31—3)
会期:2023年5月20日(土)〜2023年7月16日(日)
アクセス:JR武蔵野線「東所沢」駅より徒歩約10分
開館時間:[日~木]10:00〜18:00(最終入館17:30)
[金・土]10:00~21:00(最終入館20:30)
休館日:第1・3・5火曜日
チケット価格(税込):一般(大学生以上):1,400円/中高生:1,200円/小学生:1,000円
公式サイト:https://kadcul.com/event/121
冒頭のコーナーは雑誌『JUNE』に注目します

男性同士の恋愛を扱った女性向けの小説やマンガなどのジャンルをさす「BL(ボーイズラブ)」。最近は映像作品も増え、一般の認知度も高いです。すでに50年近い歴史があるといい、1978年に創刊された雑誌『JUNE』を起点にその発展と深化の歩みをたどります。冒頭の巨大年表が圧巻です。

巨大な「BL」年表。この半世紀のジャンルの歩みを網羅しています。
関連する社会的動向もおさえた記述

 

ジャンルの形成に大きく貢献した雑誌『JUNE』

次のエリアではBL史で重要な転換点となったという「やおい」にスポット。二次創作系同人BLの隆盛が、コミックマーケットに参加するサークル数の推移の展示で示されます。1985年ごろは1列ぐらいしかなかったサークルが数年後にはフロアを埋め尽くす様は壮観です。

コミックマーケットのカタログで、BL関連のサークルが急増していることが一目瞭然

そして最後のエリア。展示は近年、隆盛するジャンルの全体像を俯瞰します。

近年の作品数の増加、メディアミックスの拡大、海外への広がりなどまさに「花ひらくBL文化」です。ファンの方はもちろん、あまり詳しくない方でもポップカルチャーの重要なジャンルの歩みには、とても興味を惹かれると思います。

海外にも広がる「BL」文化。国や地域によってイメージや位置づけが微妙に違うことも興味深いです
紗久楽さわ先生の作品などを紹介
次々に生み出される作品に圧倒されます

「はじめての BL展」は角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市)で7月16日(日)までの開催。 「ボーイズラブ」を巡り、重要な作品やムーブメントを豊富な資料で紹介します。中島梓(栗本薫)さんの直筆原稿など貴重な展示品が多数。竹宮惠子先生、あさぎり夕先生、紗久楽さわ先生らの原画なども素晴らしく、こちらも必見です。

(美術展ナビ編集班 岡部匡志)