【開館】長谷川等伯・久蔵の「楓図」「桜図」など国宝障壁画を展示 京都・智積院宝物館

桃山時代を代表する絵師・長谷川等伯の「楓図」と息子久蔵の「桜図」など、長谷川一門による国宝の障壁画を観賞できる宝物館が4月、京都市東山区の真言宗智山派総本山智積院ちしゃくいんの境内に完成しました。

左:国宝「楓図」 右:国宝「桜図」
左:国宝「松に秋草図」 右:国宝「楓図」

宗祖しゅうそである弘法大師空海のご誕生1250年慶讃事業として2020年から工事が進められてきました。なお、この宝物館の建設に伴い、昨年11月から今年1月まで東京のサントリー美術館で開かれたのが「京都・智積院の名宝」展でした。


新しい宝物館では、長谷川等伯・久蔵およびその一門によって作成された国宝の障壁画を展示。反射を抑えたガラスケースと適切な照明で、じっくりと観賞することができます。

また、昭和43年(1968年)まで障壁画が収められていた大書院の上段の間が再現されており、障壁画が本来どのような形で収められていたかも分かります。

国宝「松に立葵図」

宝物館の大きな役割は、智積院が収蔵する国宝を含む約8万点の文化財を適切な環境で保存・管理し、展示することです。国宝障壁画の展示のほか、豊富な文化財や調査研究の成果を紹介するテーマ展示が、年度ごとにテーマを定めて行われます。
智積院は京都国立博物館に隣接しています。京博で展覧会を観賞する際に訪れてみてはいかかがでしょうか。
(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)

宝物館の外観
展示スペースへの入り口
空海や智積院にゆかりの深い徳川家康などに関わりのある寺宝や文化財をテーマ展示する展示スペース
国宝障壁画展示スペースの入り口
左:国宝「松に黄蜀葵とろろあおい図」 右:国宝「松に秋草図」
総本山智積院 宝物館
住所:京都市東山区東瓦町964番地
拝観受付時間:午前9時~午後4時
休館日:12月29日、30日、31日は拝観お休み。展示替えのため毎年7月31日、10月31日、1月31日、4月30日は休館日
拝観料(宝物館):一般500円/中高生300円/小学生200円
詳しくは、総本山智積院の公式サイトhttps://chisan.or.jp/