フェリシモ チョコレート ミュージアム(神戸) 可愛いチョコのパッケージに夢中! アートな楽しみもたっぷりな魅力のスポット

魅力的なチョコレートのパッケージがたくさん見られる「フェリシモチョコレートミュージアム」

フェリシモ チョコレート ミュージアム
住所:神戸市中央区新港町7-1 Stage Felissimo 2F
アクセス:JR「三ノ宮駅」、阪神・阪急「神戸三宮駅」西口から徒歩約20分
ボートループ(連接バス)・神姫バス「三宮駅前」から「新港町」停留所下車徒歩約3分
開館時間:11:00~18:00(※入館は閉館の30分前まで)
休館日:年末年始・春と秋の展示替え期間
料金:一般1,000円(団体800円)/学生800円(団体500円)/小学生300円(団体200円)/小学生以下無料
ウェブサイト:https://www.felissimo.co.jp/chocolatemuseum/

神戸の中心街、三宮や元町の市街地からまっすぐ海の方へ。大手通販のフェリシモ本社の中に「フェリシモ チョコレート ミュージアム」があります。2021年10月にできたばかりの新しいミュージアムです。とても楽しい施設と聞き、訪ねてみました。(美術展ナビ編集班 岡部匡志)

潮の香りが漂ってきそうな神戸港の岸壁のすぐそば。隣には「神戸ポートミュージアム」、近くに「神戸みなと温泉 蓮」などのレジャー施設があり、地元の神戸市民にはおなじみのスポットです。

「フェリシモ チョコレート ミュージアム」が入るフェリシモ本社(神戸市中央区)

“世界で唯一“” チョコのパッケージのミュージアム

ミュージアムではチョコレートやカカオに関する文化、革新にまつわる情報、ファッションやアートとの繋がりなどをテーマに展示を行っています。また、世界中のチョコレートパッケージを収集・展示・保管しています。現在、約1万5000点ものパッケージを収蔵しているそうです。これが同ミュージアムの最大の特色。フェリシモの能勢加奈子・文化事業推進部 部長は「チョコレートをテーマにしたミュージアムは世界各地にたくさんあるのですが、そのほとんどがカカオの歴史やチョコレートの製造過程をテーマにしたもの。パッケージの収集・展示を主な活動にしている施設はいくら探しても出てきませんでした」と教えてくれました。“世界で唯一”といってよいようです。それを聞いただけでも盛り上がります。早速、中に入ってみました。

収蔵庫と展示スペースを兼ねた展示室。そのスケールに圧倒されます

入口のロゴタイプからしておしゃれです。さすが神戸のミュージアム。

ひとつひとつのスクエアに配置された“CHOCOLATE”の文字は、“宝石”になぞらえられたチョコレートのひと粒ひと粒をイメージ。マーク全体がひとつの”宝石箱”のようになっています。また、この宝石箱は、見どころのひとつである「世界のチョコレートパッケージコレクション」を構成する個々の「パッケージ」の姿も表しています。

ちょっと身を屈めないとくぐれない、展示室への入り口

ミュージアムを担当するフェリシモの市川美幸さんにモデルをお願いしました。「茶室の躙(にじり)口のようで、ワクワクしますね」とにっこり。まずは「creative walk」(クリエイティブ・ウォーク)という常設展にあたるスペースです。パッケージの収蔵品の一部を決められたテーマに沿って紹介するコーナー。現在は『「KAWAII(かわいい)」で選ばれた可愛いチョコレートパッケージ展』です。

改めて、チョコレートのパッケージの豊かな個性、その卓越したデザイン性に驚かされます。そして本当にかわいい!見ているだけでテンションが上がります。

思い入れたっぷりのキュレーション、フェリシモならでは

日本をはじめ、フランスやイタリア、オーストリアなど世界各地の優れたパッケージがずらり。ファッションや雑貨のプランナーやバイヤー、編集ディレクターなどクリエイティブな仕事に携わる人々がそれぞれに「可愛い」と思うパッケージが選定されています。推薦者自らがその可愛さについて語るコメントが記されたキャプションにも熱い“愛”がこもっています。チョコレートミュージアムの館長が選んだものもあるそうです。

そもそもフェリシモがこうしたミュージアムを手掛けたのも、日常の業務でショコラティエやアーティストの想いが詰まった、優れたパッケージを見る機会が多かったことがあります。同社が本拠地としている神戸も、国際港を交流の窓口として、さまざまな西洋文化を受け入れてきた歴史がありました。チョコレートもそのひとつでした。

展示品にはウクライナのものもありました。

様々な困難に直面しつつ、現在も営業は続けているお店のものだそうです。無事をお祈りします。

収蔵品の幅広さも魅力です。収蔵庫を兼ねた展示室では昔懐かしいチョコレートのパッケージもたくさん見ることができます。

私たちの身近な生活史のミュージアムとしても十分に楽しめます。

魅力的なアートの展示も

同ミュージアムではパッケージだけでなく、カカオやチョコレートに関わるアートの展示も行っています。まず、「art square」というスペースで10月15日(日)まで開催の「甘すぎるドレス展」。フィンランドのアーティスト、ヴィルビ・ヴェサネンーラウッカネンによる作品です。リサイクル素材を使ったテキスタイルアートやビジュアルアートで評価の高いアーティストで、今展ではリサイクル収集したキャンディーやチョコレートの包み紙を縫い合わせて作られたドレスやコルセットが展示されています。

「美しさAND/OR美味しさ」の両立と選択、あるいは「甘い喜びAND/OR罪な意識の狭間に揺れる心」を表現したそうです。美味しいチョコレートは食べたい、でも・・・というあの微妙な心境がテーマでしょうか。

包み紙とは思えない精巧なものです。作品に、チョコレートという食べ物が持っている魅力と地続きなものも確かに感じさせます。

アーティスト魂に火をつけるチョコの魔力

もうひとつ、企画展の展示があります。「Chocolate Story-カカオの記憶、あるいはカカオが魅せた夢-」(10月15日まで)。人気料理ユニット「南風食堂」を主宰する三原寛子さんを共同キュレーターにむかえ、「カカオを口にした作家が見る夢」をアート作品として展示するグループ展です。多分野で活躍している女性作家6組が参加しています。こちらも見る人をハッとさせる魅力的な作品が揃います。

『chocolate dreams』磯部昭子 2023年
『MELTAMORPHOSE』HAMADARAKA 2023年
『Something that fill a void』多田玲子+細川葉子

カカオ、あるいはチョコレートが持つ魔力がアーティストをインスパイアするのでしょう。とても身近な存在でありながら、特別な場面の贈り物として決定的な役割を果たすことがあります。口にすると元気になる食べ物の代表格でもあります。食べる人、作る人、贈る人、それぞれをとりこにする不思議な力と、アートは親和性が高いことを実感しました。

間違いない!デートコース、修学旅行などにもぴったり

取材に伺った際はカップルのお客様が目立ちました。皆さんとても楽しそう。チョコレートの可愛いパッケージが山ほど見られ、盛り上がること間違いなし、の展示内容ですから当然ですね。修学旅行の自由研究のコースなどにも人気が高いそうです。

『映える』スポットも人気です。休みの日は行列ができるほど

セレブリティたちのチョコレートへの想いを綴った「寄せ書き」のコーナーもうれしいです。

ミュージアムグッズも手掛けるフェリシモだけに、グッズももちろんぬかりありません。気持ちよく散財すること必至です(笑)。後日、グッズの紹介記事もお届けします。お楽しみください。

コンパクトな施設ながら見どころ豊富で、実に奥の深いミュージアムです。神戸にお立ち寄りの際はぜひ、足を運んでみてください。

(おわり)