【動画】「吹きガラス 妙なるかたち、技の妙」サントリー美術館で6月25日まで 担当学芸員が見どころを解説

「吹きガラス 妙なるかたち、技の妙」がサントリー美術館(東京・六本木)で6月25日まで開催されています。古代ローマから現代まで、古今東西の作り手たちが創意工夫を凝らしたガラス作品が集結。内覧会で、担当学芸員の林さんに見どころを教えてもらいました。
学芸員・林佳美さんの解説
この展覧会では、吹きガラスならではの形を生み出した作り手の技に注目しながら、古今東西のガラスの名品を紹介しています。いつもとは少し違う、作り手の目線で作品をご覧いただきながら、吹きガラスの魅力、さらにはガラスという素材そのものの魅力について再発見していただく機会になればと思います。

注目していただきたい作品の一つが、第Ⅱ章で紹介している「船形水差」という16~17世紀のイタリアで作られた作品です。

全部で10以上のパーツを組み合わせて作られていますが、一つ一つをできあがった後に接着剤でくっつけるのではなく、まだガラスが熱い状態で様々な形で器を支えながら、職人たちが息を合わせて手で触ることなく組み立てている点が見どころです。
第Ⅲ章で紹介している「藍色ちろり」も、当館を代表する江戸時代の吹きガラスの名品です。本展では、「藍色ちろり」と同じ特徴が把手にみられる作品を3点並べて初めて公開しています。

中央:《藍色ちろり》 日本 18世紀 サントリー美術館
右:《紫色ちろり》 日本 18~19世紀 桑名市博物館(田中一郎氏寄贈)
撮影・青山謙太郎
第Ⅴ章では、新進気鋭の若手作家4名の作品を紹介しています。小林千紗さんの「しろの くろの かたち 2022」は吹きガラスの技法で作った作品ですが、ぱっと見てとてもガラスとは思えないような作品です。

「これも吹きガラスなの?」と思うような作品を通じて、吹きガラスという表現の可能性や広がりを感じていただければと思います。
(読売新聞美術展ナビ編集班・美間実沙)
吹きガラス 妙なるかたち、技の妙 |
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会場:サントリー美術館(東京都港区赤坂9-7-4東京ミッドタウン ガレリア3階) |
会期:2023年4月22日(土)~6月25日(日) |
休館日:火曜日(5月2日は20時まで、6月20日は18時まで開館) |
開館時間:10時~18時 ※金・土および5月2日(火)~4日(木・祝)は20時まで開館 ※いずれも入館は閉館の30分前まで |
入館料:当日一般1,500円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料 |
5月5日(金・祝)午前10時~午後1時はファミリータイムで、中学生以下のお子様をお連れの方は全員100円割引 |
詳しくは美術館公式サイト(https://www.suntory.co.jp/sma/)へ。 |