【プレビュー】「細川家の茶道具 ―千利休と細川三斎―」永青文庫で5月20日から 7年ぶりの茶道具展

重要美術品「唐物尻膨茶入 利休尻ふくら」 南宋~元時代(13~14世紀)  永青文庫蔵

令和5年度初夏展「細川家の茶道具 ―千利休と細川三斎―」
会場:永青文庫 (東京都文京区目白台1-1-1)
会期:2023年5月20日(土)~7月17日(月・祝)
開館時間:10時~16時30分(入館は16時まで)
休館日:月曜 ただし7月17日は開館
入館料:一般:1000円/シニア(70歳以上)800円/大学・高校生500円
詳しくは、永青文庫の公式サイト

7年ぶりの茶道具展

わび茶の大成者・千利休(1522~1591年)は多くの武将と交流し、茶の湯を指南したことで知られています。中でも細川家とは関わりが深く、初代の細川藤孝ふじたか幽斎ゆうさい、1534~1610年)から親交を結びました。「利休七哲」の一人に数えられる2代忠興ただおき三斎さんさい、1563~1645年)は、高弟として利休のわび茶を継承しました。以降、細川家では茶の湯が嗜まれたことで、永青文庫には大名家伝来の様々な茶道具が所蔵されています。

左:「細川三斎(忠興)像」 寛文10年(1670) 永青文庫蔵【展示期間:5/20(土)~6/18(日)】 右:「竹二重切花入」 細川三斎作 桃山~江戸時代(16~17世紀) 永青文庫蔵

5月20日から7月17日まで永青文庫で開かれる「細川家の茶道具 ―千利休と細川三斎―」展では、千利休が所持していた「唐物尻膨しりふくら茶入 利休尻りきゅうしりふくら」や「瓢花入ひさごはないれ 銘 顔回がんかい」をはじめ、利休と細川三斎ゆかりの名品を中心に、細川家に伝わる茶道具を紹介します。7年ぶりの茶道具展です。

重要美術品「唐物尻膨茶入 利休尻ふくら」 南宋~元時代(13~14世紀) 永青文庫蔵
「瓢花入 銘 顔回」 千利休作 桃山時代(16世紀) 永青文庫蔵
「黄天目 珠光天目」 元~明時代(14~15世紀) 永青文庫蔵

茶碗、茶杓、釜など、道具ごとに展示するコーナーを設け、分かりやすく解説します。茶道具を知らない人でも楽しめます。

「呼継茶碗」 桃山~江戸時代(16~17世紀) 永青文庫蔵

近現代の細川家4代(16代護立もりたつ、17代護貞もりさだ、当代護熙もりひろ護光もりみつ)が手掛けた茶碗なども紹介し、代々継承されてきた茶の美意識に迫ります。

「志野茶盌 忘れ雪」 細川護熙作 平成20年(2008年) 個人蔵

さらに、2021年に発見された、武将茶人・古田織部ふるたおりべ(1544~1615年)から細川三斎に宛てた貴重な手紙が初公開されます。

「古田織部書状」 細川忠興(三斎)宛  桃山時代(16世紀) 永青文庫蔵

今年は細川家にゆかりの深い沢庵宗彭たくあんそうほう(1573~1645年)の生誕450年にあたることから、沢庵の墨蹟が特別に展示されます。

「放下着」 沢庵宗彭筆 江戸時代(17世紀) 永青文庫蔵

(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班)