「横尾忠則 寒山百得」展が東京国立博物館で9月12日から 現代美術家 最大のシリーズ

現代美術家横尾忠則さん(86歳)

東京国立博物館では非常に稀な現代アート展となる「横尾忠則 寒山百得かんざんひゃくとく」展が9月12日から12月3日まで開かれます。東洋美術伝統のモチーフ、寒山拾得じっとくをテーマにこの3年で描き上げた101点を一挙に初公開します。4月20日、東博で報道発表会が開かれ、横尾さんは「一主題一様式という常識を捨て、一主題百様式に拡張した」と話しました。

世俗を超越する奇行ぶりで伝説的な2人の詩僧「寒山」と「拾得」の「10(拾)」を「100」にし、100枚を描くことを自分に約束してしまったという横尾さん。頭で考えていたら間に合わないと「アーティストを辞め、アスリートに。自分の脳みそを身体に移動」させて作画に取り組みました。昨年夏には急性心筋梗塞で心臓の手術をし、「ここで終わりか」と覚悟をしたこともあったそうです。

会場となる表慶館は1908年(明治41年)竣工のトーハクの展示館では最古の建物で、クラシックな空間とのマッチングも楽しみです。

特集「東京国立博物館の寒山拾得図ー伝説の風狂僧への憧れー」

また東博が所蔵する国宝「寒山拾得図(禅機図断簡)」や重要文化財「寒山拾得図」伝顔輝筆を含む、中国・日本で描かれた様々な寒山拾得図を一堂に集める特集も本館特別1室で同時に開幕(特集は11月5日まで)します。脱俗の悟りの境地「風狂」を徹底的に味わえそうです。

「横尾忠則 寒山百得」展
会場:東京国立博物館 表慶館
会期:2023年9月12日(火)~12月3日(日)
休館日:月曜、9月19日(火)、10月10日(火)。ただし9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館
開館時間:午前9時30分~午後5時 ※入館は閉館の30分前まで
アクセス:JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
詳しくは展覧会公式サイト へ。
公式ツイッター@kanzanhyakutoku

(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹、撮影 青山謙太郎)