工藤春香個展「 生 活 ・ 抵 抗 」 PARA神保町で4月30日から 「相模湖に関する作品」三部作、最後の作品

工藤春香「あなたの見ている風景を私は見ることはできない。私の見ている風景をあなたは 見ることはできない」展示風景。「MOT アニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいな憎しみ」  東京都現代美術館 撮影:森田兼次

工藤春香個展「生活・抵抗」
会場: PARA神保町2F(東京都千代田区神田神保町2-20-12 第二富士ビル2階)
会期:2023年4月30日(日)~5月7日(日)
開場時間:14:00~19:00
入場料:1,000円
※PARA 各種フリーパス・コース無料適用
※予約不要・現地受付精算・現金のみ・再入場不可
イベント:飯山由貴映像作品《In-Mates》  上演 + トーク
5月6日(土)19:00~21:00 参加費2,000円
問い合わせ:PARA co.playsandworks@gmail.com
展覧会ウェブサイト:https://paratheater.com/9f36aeaacfdf480aa966b4a87147db6a

相模湖建設をめぐる強制連行労働など問う

昨年、東京都現代美術館での展示「MOT Annual2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」で話題を集めた工藤春香さん。相模原市障害者施設殺傷事件をモチーフとしたその展示で、キュレーターとの検討で展示されなかった作品を発展させたインスタレーションが今回、発表されます。工藤さんがこれまで取り組んできた「相模湖に関する作品」の三部作の最後の作品ともなります。
第二次世界大戦中の軍事エネルギー供給のために作られた人工湖である相模湖を作る際、朝鮮・中国からの強制連行労働があったという事実をもとに、関係者の証言や市民団体への取材を通し作品を作ります。

展示予定作品から 「繭」(部分)

様々な「声」に着目したインスタレーション

日本での労働を余儀なくされた彼らの「生活」に着目し、作家自らその生活の一部を体験することによって、時代・属性を超えた個人への想像をもつことができるのかという試みです。今回は様々な「声」の存在に着目したインスタレーション作品が展示される予定です。
あわせてイベントとして、飯山由貴さんの映像作品《In-Mates》の上演と作家のトークも開催します。
【工藤春香さん プロフィール】

写真:工藤真衣子

1977年生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。現在、リサーチ・コレクティヴの「ひととひと」メンバー。絵画の制作から始まり、2010年代後半から、社会的な課題へのリサーチを基に、可視化されづらい立場の人々への想像から、テキストやオブジェ、映像を組み合わせたインスタレーションを制作している。制度や法が人々の価値観にどのように影響を与え、内面化されているかを問う。
主な展示は 2022年「MOT アニュアル 2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」(東京都現代美術館)2021年ひととひと主催「女が5人集まれば皿が割れる」(BUoY)、2020年「静かな湖畔の底から」(Arai Associates)、2017年「生きていたら見た風景」(ART TRACE Gallery)
作家ウェブサイト:https://tatsuy1.wixsite.com/haruka-kudo
(美術展ナビ編集班 岡部匡志)