【開幕】「今井俊介 スカートと風景」東京オペラシティ アートギャラリーで6月18日まで

《untitled》2023年の前に立つ今井俊介さん

鮮やかなストライプが印象的な絵画シリーズを手がける気鋭のアーティスト、今井俊介さん(1978-)の作品を一堂に紹介する「今井俊介 スカートと風景」が、4月15日から東京オペラシティ アートギャラリーで開幕します。4月13日に行われたプレス内覧会にうかがいました。

《untitled》2011 年、 高橋大輔氏蔵

大学の助手時代、今井さんは「何を描くべきか」という本質的な問いと向き合っていました。そんな時、ふと目にした、学生が身につけていたスカートにその答えを見いだしたと言います。幾何学模様がプリントされたスカートの布地が、人の動きとともに揺れる風景を見て、色と形が揺らいでいるようなスタイルを追求するようになりました。2011年の《untitled》は、ストライプシリーズの原点となる作品です。

《patterns》2008年(いずれも)

それ以前の作品は、既製品から柄を探すなど、迷いがあった時代だと振り返ります。

展示風景
展示風景

様々なストライプやドットが描かれた絵画のほか、布を使ったインスタレーションも展示されています。2011年からストライプを描き続けているので「飽きないですか」と聞かれることも多いそうです。そんな質問には「正直、飽きます」と苦笑いしながらも、「1枚描くごとに、次やらないといけないと思えることが見えてきます。この10年で、自分でもびっくりするぐらい同じストライプでも変わっています」と振り返ります。

プリントアウトされた画像データ

今井さんの作画方法は独特です。まずパソコンで、ストライプや円を組み合わせたグラフィックを作成します。続いて出来上がった図柄をプリントアウトし、紙をゆがませたりしながら撮影。さらにトリミングしたりしながら構図を完成させてから、カンバスに筆で描いていくそうです。

《untitled》2023年と今井俊介さん

こちらは高さ3㍍20、幅8㍍38の大作です。のれんのように下をくぐれる布の作品で、天井の高い東京オペラシティによく映えます。

ファッションブランドとのコラボ製品も

カルバン・クラインをはじめファッションブランドとのコラボレーションも行ってきました。こちらはパジャマブランド「NOWHAW」とのコラボ製品です。絵画とデザインの世界を軽やかに行き来しています。

目もくらむような色彩や、強いコントラストからは春の芽吹きのような生命力も感じられ、心も浮き浮きとしてきます。今の時期にぴったりな展覧会でしょう。(美術展ナビ編集班・若水浩)

今井俊介 スカートと風景
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿3-20-2)
会期:2023年4月15日(土)~6月18日(日)
開館時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:月曜日(ただし5月1日は開館)
入館料:一般1,400円、大・高生800円、中学生以下無料
詳しくは、同館HP

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