【次回の日曜美術館】「よみがえる伝説の画聖・明兆(みんちょう)」Eテレ 16日朝放送

【次回のEテレ・日曜美術館】
<朝>
「よみがえる伝説の画聖・明兆」
放送時間:4月16日(日) 午前9:00~9:45
番組ホームページ
かつて雪舟と並び「画聖」と称せられた伝説の絵師がいます。京都五山に列し、紅葉の名所として名高い東福寺の絵仏師であった吉山明兆(1351〜1431)です。近代になって明兆の名は急速に忘れられましたが、いまあらためて注目されています。江戸画壇の本流・狩野派に大きな影響を与えたばかりか、雪舟のアヴァンギャルドな画風も明兆に由来することが明らかになりつつあります。
東福寺の巨大伽藍を飾る大作を次々に描いた明兆は、当時最新の中国の画法を身につけたばかりか、従来にない大胆な墨線を用いて、日本の絵画に新たな表現を切り開きました。

明兆が忘却された背景には、近代の美術史研究が宗教画でなく世俗画に偏ったこともありますが、作品そのものが公開される機会が少なかったことが大きいと考えられています。
明兆が制作に3年を費やした「五百羅漢図」は、1幅あたり10人、全50幅に500人の羅漢を配した大作にして代表作ですが、この14年間は修復を施され、見ることができませんでした。

さらに江戸時代まで誰もが知っているというほど有名だったという「大涅槃図」は縦12メートルもの巨大が画幅ですが、これも長らく修理中でした。これらの修理が昨年完了、今年ようやく公開されます。

「五百羅漢図」の修理後初公開となる特別展「東福寺」を機に、注目を集める画聖・明兆の世界と魅力を伝えます。
<夜>
「まなざしのヒント ルーブル美術館展」
放送時間:4月16日(日) 午後8:00~8:45
番組ホームページ
世界一の美の殿堂、パリのルーブル美術館。今春、膨大なコレクションの中から精選された70 点余りの絵画が国立新美術館にやってきています。神話、宗教、そして風俗画……「ルーヴル美術館展 愛を描く」に並ぶ作品に共通して描かれているのは、古代以来、西洋美術の最も重要なテーマの一つ「愛」。
番組では、昨年5月に放送した“まなざしのヒント”の第2弾として、東京大学大学院の三浦篤先生、作家・演出家の大宮エリーさんら専門家から「知識」や「鑑賞のコツ」を教えてもらうことで、馴染みのない西洋絵画がグッと面白く見えてくる”特別授業”を実施。
今回取り上げるのは、愛の場面を描く名画が数多く誕生した17~18世紀。主題や時代、そして国によって全く異なる「愛」の描写の違いや観賞のコツを知ることができるでしょう。
(読売新聞デジタルコンテンツ部)