【開幕】「買上展-藝大コレクション展2023-」 近代日本のアートを支えた俊英たちの若き日の姿 東京藝術大学大学美術館(上野)で5月7日まで

東京藝術大学大学美術館(上野公園)で始まった「買上展 -藝大コレクション展2023-」。開幕前日の内覧会で取材しました。近代日本のアートを支えた、あるいは今まさに支えている俊英たちの若き日の姿を伝える作品の数々です。まず冒頭で板谷波山の見事な《元禄美人像》が迎えてくれました。
買上展-藝大コレクション展2023- |
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会場:東京藝術大学大学美術館(東京・上野公園) |
会期:2023年3月31日(金)〜5月7日(日) |
休館日:月曜日 ただし、5月1日(月)は開館 |
時間:10:00〜17:00(最終入館時間 16:30) |
観覧料:一般 1200円、大学生 500円 高校生以下、18歳未満無料 美術展ナビチケットアプリでもチケット購入可 |
問い合わせは050-5541-8600(ハローダイヤル)へ |
詳しくは(https://museum.geidai.ac.jp)へ。 |
『買上』とは藝大が卒業や修了制作の中から特に優れた作品を買い上げてきた制度。前身の東京美術学校でも同様の制度がありました。その中からさらに厳選の約100点を紹介です。こちらは横山大観《村童観猿翁》。大観の個性がはっきり感じられます。

菱田春草、高村光太郎、小村雪岱…と様々な分野のビッグネームの作品が次々と登場します。若い時期の作品でも世界観は明確です。




東京美術学校の卒業制作と言えばまず自画像を連想しますね。萬鉄五郎(上)と李叔同が並んでいました。萬がこの自画像と同じ年に制作したのが《裸体美人》。現在開催中の「重要文化財の秘密」展(東京国立近代美術館)で見られます。思わぬ符合にワクワクしました。


日本画や油画、彫刻、工芸、デザイン、建築、美術教育など各科が選ぶ買い上げ作品も紹介。大小田万侑子《藍型染万の葉文様燈籠絵巻》(2018)など近年もさすが藝大、というセンスと技巧の溢れる作品が並びます。

国際色豊かなのも藝大の特色。シクステ・パルク・カキンダはアフリカ・コンゴ民主共和国生まれの作家。広島の原爆などをモチーフにしたインスタレーションは印象深いものでした。

あっ!とびっくりしたのは「作曲」。こちらは音楽学部(前身は東京音楽学校)ですが、やはり卒業や修了制作から特に優れた作品を買上賞に選定してます。大型のフルスコアが並んで壮観でした。
「買上展 -藝大コレクション展2023-」東京藝術大学大学美術館(上野)で5月7日(日)まで。 巨匠らが若き日のすべてを注いだ卒業制作の数々。東京美術学校時代から現在にいたる日本の美術教育の歩みを振り返ります。詳しくはプレビュー記事をご覧ください。