【プレビュー】特別展「国宝・燕子花図屏風 ―光琳の生きた時代 1658-1716―」根津美術館で4月15日から

国宝「燕子花図屏風」(右隻)尾形光琳筆  日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵

「琳派」の尾形光琳(1658~1716年)の代表作である国宝「燕子花かきつばた図屏風」は、根津美術館の庭園でカキツバタが咲き誇るこの時期に展示されるのが恒例となっています。今年の特別展「国宝・燕子花図屏風 ―光琳の生きた時代 1658-1716―」では、「燕子花図屏風」を中心に、光琳と同時期に制作された作品を展示し、光琳が生きた約60年の美術の歴史を紹介します。

国宝 「燕子花図屏風」(左隻) 尾形光琳筆  日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵
特別展「国宝・燕子花図屏風 ―光琳の生きた時代 1658-1716―」
会場:根津美術館(東京都港区南青山6-5-1)
会期:2023年4月15日(土)~5月14日(日)
オンライン日時指定予約制
開館時間:午前10時~午後5時
※5月9日~5月14日は午後7時まで開館(入館はいずれも閉館30分前まで)
休館日:月曜日 ただし5月1日は開館
アクセス:地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線 表参道駅より徒歩8分
入館料:一般1500円、学生1200円、中学生以下は無料
※4月11日(火)午後1時から美術館ホームページで予約受け付け
※当日券(一般1600円)も販売、ただし混雑状況によっては販売しない場合も
詳しくは美術館ホームページ(https://www.nezu-muse.or.jp/)へ

尾形光琳といえば、町人が担い手となって花開いた元禄(1688~1704年)文化の立役者のイメージがあります。そのイメージの中心に位置するのが、光琳40歳代半ばの代表作「燕子花図屏風」です。
一方で、光琳が生きた前半生は、宮廷や幕府が主導した文化・芸術が隆盛を見せた時期でもあり、後半生は、円山応挙や伊藤若冲などの民間出身の個性派が活躍する18世紀後半の京都画壇が生まれる準備がなされた時代と見ることもできます。

絵の基本は狩野派に学んだ

光琳が京都の高級呉服商の家に生まれて間もない頃、幕府の御用絵師・狩野探幽(1602~74年)が描いた作品が「両帝図屏風」です。

「両帝図屏風」(右隻)狩野探幽 日本・江戸時代 寛文元年(1661) 根津美術館蔵

こちらは若き光琳を刺激した、優美な「四季草花図屏風」。作者の喜多川相説は、俵屋宗達が主宰した工房・俵屋3代目です。画家を志した光琳が最初に活躍の場を求めた宮廷周辺では、このような草花図が流行していました。画面構成にのちの「燕子花図屏風」に通じる部分があります。

「四季草花図屏風」(右隻)喜多川相説筆 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

光琳を生んだ時代の息吹を感じる

活気あふれるお伊勢参りの様子が描かれている屏風です。画中の建築物から元禄年間頃、まさに光琳が生きた時代の空気を伝えます。

「伊勢参宮道中図屏風」(右隻)日本・江戸時代 17~18世紀 根津美術館蔵

この屏風には、京都と大津を結ぶ街道で人気の土産物だった「大津絵」が作られ、販売されている様子も描かれています。

「大津絵貼交屏風」日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵 2019年、パリでの「大津絵展」を経て待望の展示

同時開催 西田コレクション受贈記念II:唐物

「青花人物文筆筒」景徳鎮窯 中国・清時代 17世紀 根津美術館蔵 西田宏子寄贈

展示室5では「西田コレクション受贈記念」の第2部が開催され、今回は中国の陶磁器と漆器の優品が展示されます。西田宏子さんのインタビュー記事もご覧ください。

根津美術館の庭園のカキツバタは例年4月下旬~5月上旬に開花
5月9日~14日は夜間開館(午後7時まで)

(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)