【動画】「印章 刻まれてきた歴史と文化」山梨県立博物館で5月8日まで

山梨県立博物館で5月8日まで開催されている「印章 刻まれてきた歴史と文化」。内覧会で担当学芸員の海老沼真治さんと松田美沙子さんに見どころを聞きました。目玉の国宝の金印「漢委奴国王」(福岡市博物館蔵)は3月21日までの期間限定を展示でしたが、動画でその輝きをご覧ください。3月23日(木)以降は複製(東京国立博物館蔵)を展示。
山梨県立博物館 海老沼真治さん
なぜ山梨で印章なのかと言うと、山梨県は印章の生産量が実は日本で最も多い県です。
産業の歴史としては約150年ほど前の江戸時代末期に水晶の印を作ったところから始まると言われていて、現在では山梨を代表する地場産業の一つとなっています。

展覧会の目玉は何と言っても、こちらの福岡市博物館所蔵の国宝の金印になります。
1辺が約2.3センチほどになりますが、ただほぼ純金に近いので重さはこの大きさでも非常にずっしりとくるもので、約110グラム弱あります。

こちらのコーナーでは、戦国時代、甲斐を治めた武田信玄がハンコを押して出した書状類「印判状」と言われているものを紹介しています。武田氏だけではなくて武田氏と競い合った3人の天下人、例えば織田信長の有名な「天下布武」の印などを展示しています。


山梨県立博物館学芸員 松田美沙子さん
こちらのコーナーでは絵画におけるハンコについて紹介しています。例えば「琳派」における丸い形のハンコや狩野探幽の瓢箪印。
そうした中でこのコーナーの一押しの作品が円山応挙が描いた絵画作品「仙山観花図」(九州国立博物館蔵)。ここで注目してほしいのがこの左上の画賛です。

高芙蓉という人物が書いています。高芙蓉は日本の近世篆刻界においては有名な人物ですが、実はこの山梨県出身と言われております。
ぜひ高芙蓉のことも本展で知ってください。
印章 刻まれてきた歴史と文化 |
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会場:山梨県立博物館(笛吹市御坂町成田1501-1) |
会期:2023年3月11日(土)~5月8日(月) |
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで) |
休館日:火曜日、3月22日(水) *3月21日(火・祝)・5月2日(火)は開館 |
観覧料:一般1,000円、大学生500円 高校生以下無料 |
アクセス:JR石和温泉駅からバスで約10分(「富士山駅」行き、「鶯宿」行き)/中央自動車道一宮・御坂ICから車で約8分 |
詳しくは博物館の公式サイト |
(動画撮影・編集 読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)