【動画】「ルーヴル美術館展 愛を描く」国立新美術館の担当研究員によるフラゴナール《かんぬき》解説 6月12日まで開催

ジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》1777~1778年頃 パリ、ルーヴル美術館

「愛」をテーマに、ルーヴル美術館が所蔵する70点余りの作品が集結する「ルーヴル美術館展 愛を描く」が国立新美術館で6月12日まで開催されています。開幕前日に行われた報道内覧会で、国立新美術館主任研究員の宮島綾子さんが報道陣に見どころを解説してくれました。

宮島綾子さんの解説

ルーヴル美術館の展覧会は国立新美術館では4回目です。
前回2018年が肖像芸術の展覧会で、前々回2015年は風俗画の展覧会と、芸術のジャンルをテーマにした展覧会が2回続きました。

この展覧会の準備を始めたのは2018年、前回の肖像芸術の展覧会を開催している最中でしたが、次は「芸術のジャンル」とは違ったことをやってみたいと、「愛」というテーマを提案しました。
ルーヴル美術館の絵画部門長のセバスティアン・アラールさんがそれを好意的に受け入れてくれました。また、絵画部門の学芸員の方で、愛というテーマの展覧会を興味を持って監修に取り組んでくれる人を募ったところ、手を挙げてくれたのがルーヴル美術館絵画部門の学芸員ソフィー・キャロンさん(本展の監修者)でした。

私は日本側の本展監修者として、18世紀後半のフランスで活躍したフラゴナールの代表作《かんぬき》について説明します。
この展覧会の一番最初の頃からぜひ出品してほしいというリストに入れていたのがこの《かんぬき》でした。
フラゴナールが生きた18世紀フランスの時代には、皆さんがこの絵の前に来るまでに見てきた、神話画と宗教画に加えて現実に生きている同時代の人々の日常生活を描く絵画が描かれるようになりました。

中でも上流階級の男女の恋の優雅な駆け引きの場面が、日常生活の場面の中でも好んで描かれるのが流行しました。
まさにその極みのような作品であり、また最後の煌めきと言えるのがこのフラゴナールの作品です。
というのはこの作品が描かれた1777~78年頃の10年ぐらい後にフランス革命が起きます。道徳観やモラルが劇的に変わっていく時代に描かれたものです。この作品の後、だんだんと男女の恋愛模様、非常にエロティックな場面を描くことに対して非難されていく時代に移っていきます。

「ルーヴル美術館展 愛を描く」
会場:国立新美術館 企画展示室1E
会期:2023年3月1日(水)~6月12日(月)
開館時間:10:00-18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
観覧料:一般2,100円/大学生1,400円/高校生1,000円
※3月18日~31日は高校生無料(要学生証提示)
休館日:火曜日 ※ただし5/2(火)は開館
詳しくは展覧会サイト(https://www.ntv.co.jp/love_louvre/)で
問い合わせは050-5541-8600(ハローダイヤル)

開幕記事(内覧会速報)


見どころを紹介!レビュー記事


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音声ガイドとテーマ曲を制作した展覧会アンバサダーの満島ひかりさん


(動画撮影・編集 読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)