そごう美術館が2023年度の展覧会スケジュールを発表 さくらももこ、魔法の美術館、アーツ・アンド・クラフツ、中原淳一など

それいゆ1954年秋号 表紙 © JUNICHI NAKAHARA/HIMAWARIYA

そごう美術館が2023年度の展覧会スケジュールを発表しました。「魔法の美術館」や「アーツ・アンド・クラフツとデザイン」展など話題の展覧会が巡回するほか、生誕110周年を迎える中原淳一の展覧会など、8つの展覧会が開催予定です。

再興第107回院展
2023年3月24日(金)~4月16日(日)

横浜出身の岡倉天心は、東京藝術大学の前身である東京美術学校の設立に貢献し、後に日本画の研究団体である日本美術院を設立しました。その日本美術院による日本画の公募展である院展は、現在まで日本画の名だたる巨匠を数多く輩出しています。

第107回の本展では、同人作家の作品32点をはじめ、2022年10月に新たに同人に推挙された1名の作品、受賞作品および神奈川県出身・在住作家など計85点が展示されます。

村上 裕二《雷音とゆけ!!》

さくらももこ展
2023年4月22日(土)〜5月28日(日)

まんが家、エッセイスト、作詞家、脚本家といくつもの顔を持ち、新しいキャラクターやエッセイを次々と世に送り出し続けた稀代のアーティスト、さくらももこ。

“描く”ことと“書く”ことを楽しみつくし多忙を極める一方、季節のうつろいや小さな日常をこよなく愛したさくらももこの世界が、約300点のカラー原画や直筆原稿などにより紹介されます。

霊気を彫り出す彫刻家 大森暁生展
2023年6月3日(土)~7月9日(日)

彫刻家・大森暁生(おおもりあきお/1971年~)は、主に木と金属を素材に、実在するものから架空のものまで命ある生き物をモチーフに制作しています。その彫刻は、霊気を帯びているかのように神秘的で、今にも動き出しそうなほどにリアルです。

本展では、積極的に取り組んできた異分野とのコラボレーション作品や、2023年10月に讃岐国分寺(香川県)に奉納予定の完全版大日如来坐像の紹介など、初期作品から最新作までが、作家の言葉とともに紹介されます。

《月夜のテーブル-Cougar-》2004年 photo: Katsura Endo

第78回春の院展
2023年7月14日(金)~7月23日(日)

岡倉天心が中心となって設立された日本美術院は、一時活動を中断しましたが、1914(大正3)年に横山大観らによって再興以来、日本美術の伝統を維持しながら、次代の新しい美術を樹立することを目指し、意欲的に活動しています。

春の院展は、1945(昭和20)年に「日本美術院小品展覧会」として始まりました。その名のとおり、サイズが限定されているため、細部の描き込みまで楽しむことが出来ます。また、実験的な作品が多く出品されているのも「春の院展」の特徴です。現代日本画壇で活躍する巨匠から新人作家まで、力作の数々が紹介されます。

魔法の美術館 光と遊ぶ超体感型ミュージアム
2023年8月1日(火)~ 9月10日(日)

これまで全国で開催され、大きな話題をよんできた「魔法の美術館」がそごう美術館にやってきます。

主役はあなた自身。鑑賞者の動きにあわせて光や影が動き出す新感覚アートは、魔法使いの気分を味わえるでしょう。誰もが光とアートの世界を楽しむことができる参加型展覧会です。

《なげる、あてる、ひろがる》スイッチ  ©Switch 協力:名古屋造形大学 情報表現領域

アーツ・アンド・クラフツとデザイン
ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで
2023年9月16日(土)~11月5日(日)

産業革命以降、急速に失われつつあった手仕事の復興を目指したアーツ・アンド・クラフツ運動は、美術や工芸、建築だけにとどまらず、産業や人々の生活文化にも影響を与えました。中心人物となったウィリアム・モリス(1834-1896)の思想と実践は、世界各地へと広まり、アメリカでは、建築家フランク・ロイド・ライト(1867-1959)らも参加し、運動は新たな展開を見せました。

本展では、各地の歴史や文化を反映し発展したアーツ・アンド・クラフツ運動の歩みが、テキスタイルや壁紙・家具・金工など、多様な作品を通じて紹介されます。

ウィリアム・モリス《いちご泥棒》1883年 モリス商会 Photo © Brain Trust Inc.
《三輪のリリィの金色ランプ》1901-25年 ティファニー・スタジオ Photo © Brain Trust Inc.

生誕110周年記念 中原淳一展(仮)
2023年11月18日(土)~2024年1月8日(月・祝)

ファッションデザイン、インテリアデザイン、雑誌編集、イラストレーションなどマルチクリエイターと呼ぶべき多彩な活躍を果たした中原淳一(1913-1983)の生誕110年を記念した展覧会が開催されます。

本展では、中原の手による雑誌「それいゆ」の表紙原画、スタイル画、人形などを展示するほか、現代のクリエイターの視点から、中原の追求した「美のこたえ」に迫ります。

それいゆ1954年秋号 表紙 © JUNICHI NAKAHARA/HIMAWARIYA

水木しげる生誕100周年記念
水木しげるの妖怪 百鬼夜行展
~お化けたちはこうして生まれた~
2024年1月20日(土)~3月10日(日)

代表作「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめ、多くの妖怪作品を生み出した水木しげる(1922-2015)は、漫画連載の傍ら、妖怪研究の様々な文献を紐解き、生涯にわたり数多くの妖怪画を描き続けました。

本展では、水木氏の妖怪画100点以上を一挙公開する他、江戸時代の絵師・鳥山石燕(1712-1788)の『画図百鬼夜行』、昭和初期の民俗学者・柳田國男(1875-1962)の『妖怪談義』など、水木氏自身が所蔵する妖怪関係資料が公開されます。

《一反木綿》©水木プロダクション