【開幕】「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」国立工芸館(石川県金沢市)6月11日まで

3月21日(火・祝)から6月11日(日)まで国立工芸館(石川県金沢市)で「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」が開催されています。人間国宝から若手まで20名の作家の技によって生み出された、約70点のポケモン作品が集結。全点撮影可(静止画に限る)です!開幕前の内覧会を取材しました。
想像力と技巧で生み出された「ポケモン」
画面越しで見たあのポケモンが、三次元に。質感や重量感など、何もかもがリアルで、生きているような気配が感じられます。

陶器でフシギバナをつくった今井完眞さんは、口や耳の中、まぶたなど、徹底的に「らしさ」を突き詰めました。

イーブイとその進化系3匹に挑んだ吉田泰一郎さんは、資料からその内面を想像し、外面に落とし込んだそうです。
ポケモンをとおして体感する超絶技巧の世界

ポケモンをとおして、技巧の魅力を直感で体感できます。無数の植物と500匹を超えるポケモンを描いた葉山有樹《森羅万象ポケモン壷》は、小宇宙のように神秘的でした。

満田晴穂《自在ギャラドス》は、江戸時代から続く稀少な技術を駆使した「自在置物」。自在置物は金属工芸の一つで、関節などの各パーツを実物のように動かせるのが特徴です。満田さんは自在置物の第一人者で、普段は昆虫や甲殻類の置物を制作しています。ポケモンという架空の生き物を想像しながら制作するなかで、自在置物の伝統にある龍や鯱に挑んだ昔の人々に想いを巡らせたそうです。
図録やグッズもお見逃しなく
図案や道具、技法など、制作背景を日本語と英語で解説した図録は必見。ロゴTシャツや、吉田泰一郎《サンダース》のサコッシュなど、本展ならではのグッズも販売されています。
作家の真剣勝負の技が、ポケモンに凝縮されています。そのパワーは想像以上に圧倒的で、緊張感すら伝わってきました。ポケモンと工芸、その両方の新たな魅力を知ることができる展覧会です。
(読売新聞美術展ナビ編集班・美間実沙)
ポケモン×工芸展―美とわざの大発見― |
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会場:国立工芸館(石川県金沢市出羽町3-2) |
会期:2023年3月21日(火・祝)~6月11日(日) |
開館時間:午前9時30分~午後5時30分 *入館は閉館の30分前まで |
休館日:月曜日(ただし5/1は開館)、5/14(日) |
観覧料:一般 900円、大学生 500円、高校生 300円、中学生以下、障害者手帳をお持ちの方と付添者1名 無料 |
詳しくは(https://www.momat.go.jp/cg/)へ。問い合わせは050-5541-8600(ハローダイヤル)へ |