【再開館・開幕】「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」広島市現代美術館で6月18日まで

2年3ヶ月に及ぶ改修工事を経て、3月18日に広島市現代美術館が再開館しました。同時に開幕した「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」(6月18日まで)では、同館のコレクションを軸に、本展のための新作も含む約100点が、全館をフル活用して展示されています。開幕前の内覧会を取材しました。
出来事の「前」と「後」を考える

展覧会名のとおり、本展のテーマは「前/後」。改修工事で生じた「前/後」を足がかりとし、劣化、再生、原子力、爆発、夢など、様々な出来事の「前」と「後」について考えます。キーワードとなる出来事を、ハッシュタグとして展示室に掲示。作品をとおして、様々な角度から出来事の「前/後」を深掘りします。


第6回ヒロシマ賞受賞作家でイラン出身のシリン・ネシャットさんの《Land of Dreams》を初披露。同館16年ぶりの新規購入作品です。26点の肖像写真と二つの映像で構成され、ニューメキシコ州の住民が語る夢をとおしてアメリカ社会の現実や、核政策の不条理などを描きます。映像の一部には広島の被爆者の言葉も取り上げられていました。


建物にも着目
同館が誇る作品のひとつが、黒川紀章が設計した建物そのもの。建物に使われている素材や改修工事の図面、改修で役目を終えた照明器具など、建物にスポットをあてた展示も見どころです。触ることもできるので、ぜひ質感や感触を確かめてみてください。美術館がより身近に感じられるはず。

同館ならではのユニークな取り組みも興味深いです。たとえばロッカーの番号は、道路標識や商店街のお店の看板、同館の旧サイン表示など、広島の街や同館から集めた数字をもとに、デザインされています。展示室以外にも見どころが満載。探検する気分で美術館を隅々まで歩いて見てください。

「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」は3月18日(土)から6月18日(日)まで。改修工事のポイントや、再開館後の美術館の見どころなどは、美術館を応援する連載「美術人ナビ」でも取り上げています。
(読売新聞美術展ナビ編集班)
リニューアルオープン記念特別展 Before/After |
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会期:3月18日(土)~6月18日(日) |
会場:広島市現代美術館(広島県広島市南区比治山公園1-1) |
開館時間:10:00–17:00 ※入場は閉館の30分前まで |
観覧料:一般1,600円(1,250円)、大学生1,200円(900円)、高校生・65歳以上800円(600円)、中学生以下無料 ※()内は30名以上の団体料金 |
休館日:月曜日 |
広島駅からのアクセス:【路面電車】5番「広島港」行き→「比治山下」駅下車、約500メートル 【バス】「まちのわループ(右回り)」もしくは「大学病院」「旭町」「県病院」行き→「段原中央」下車、動く歩道「比治山スカイウォーク」経由で約700m |
詳しくは同館の展覧会HPへ。 |