【開幕】「大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101」泉屋博古館東京で5月21日まで 国宝「油滴天目 茶碗」や国宝「飛青磁 花入」が奏でる美の宇宙

国宝《油滴天目 茶碗》南宋時代 12-13世紀 大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

特別展「大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101」
会場:泉屋博古館東京(東京都港区六本木1-5-1)
会期:2023年3月18日(土)~5月21日(日)
前期:3月18日~4月16日 後期:4月18日~5月21日
開館時間:11:00~18:00 ※金曜日は19:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
入館料:一般1,200円、高大生800円、中学生以下無料
アクセス:東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅下車 泉ガーデン1F出口より屋外エスカレーターで徒歩3分
詳しくは館の公式サイト:https://sen-oku.or.jp/tokyo/
問い合わせはハローダイヤル050-5541-8600

開幕前日の内覧会を取材しました

「大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101」が3月18日から泉屋博古館東京で開幕します。大阪市立東洋陶磁美術館の安宅コレクションから、国宝2件、重要文化財11件を含む101の東洋陶磁の名品が厳選されて紹介されます。

手前 国宝《油滴天目 茶碗》南宋時代 12-13世紀 大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

国宝《油滴天目 茶碗》(中国・南宋時代)はあの曜変天目に匹敵するのでは思ったほどの「コスモ(宇宙)」感でした。本展は全点撮影可なので、開幕後に、この小宇宙がSNS上で一気に広がる予感がします。

もう1点の国宝《飛青磁 花入》(中国・元時代)は本展の担当学芸員さんが「フォルムも色も絶妙で、その美しさは人間技とは思えない」と話すように、青磁の名品中の名品です。

国宝《飛青磁 花入》元時代 14世紀 大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

学芸員さん一番のお気に入りは、楊貴妃を思わせる中国・唐時代(8世紀)の《加彩 婦女俑》だそうです。ほんのりと頬を染めたふくよかなプロポーションの唐美人は「MOCO(モコ)のヴィーナス」と呼ばれています。MOCOは大阪市立東洋陶磁美術館の英語名の略称です。

《加彩 婦女俑》唐時代 8世紀 大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション)

101点それぞれが素晴らしいですが、コレクター安宅英一(1901~1994年)の拓逸した審美眼によって収集された「安宅コレクション」を一つの芸術作品としても鑑賞してほしいと学芸員さんは話していました。
昨年3月のリニューアルオープン以来、泉屋博古館東京の展示でおなじみの濃厚な解説パネルは今回も読み応えがあります。

古美術商が秘蔵した「三種の神器」のエピソードのある3点

また、撮影したお気に入りをSNSに上げる時はぜひハッシュタグ(#安宅コレクションか#安宅コレクション名品選101)を付けてほしいとのことでした。

101点すべての写真と解説が盛り込まれている図録(2750円、青幻舎刊)は一般書籍として刊行されます。このほか、展覧会オリジナルグッズも複数あり、例えば下の写真の4種類のオリジナル一筆箋(550円)は、それぞれに3種のデザインがあるこだわり仕様です。

大阪市立東洋陶磁美術館がリニューアル工事で閉館中(2023年秋にリニューアルオープン予定)だから実現した特別展は3月18日から5月21日まで。詳しくはプレビュー記事もご覧下さい。(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)