【開幕】「へザウィック・スタジオ展:共感する建築」 東京シティビュー(六本木)で6月4日まで 魂を込める建築への挑戦

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東京シティビュー(六本木)で開幕した「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」。ロンドンを拠点に世界各地で革新的なプロジェクトを手掛け、注目のデザイン集団を紹介する展覧会です。開幕前日の内覧会で取材しました。タイトル通り、“ソウルフル”な建築や製品に魅せられます。会場に入ると目に飛び込んでくるのは電気自動車のコンセプトカー《エアロ》です。

シートを転換するとダブルベッドにもなります

ロンドン名物の2階建てバスが50年ぶりにリニューアルしたデザインも手掛けました。原寸大の模型などが展示されています。暖かみのある作りです。

あのグーグルの新社屋も担当しました。開放的で、人と人との交流を促すデザインです。屋根にはソーラーパネル。隙間から陽光を取り入れています。

ヘザウィック・スタジオとビャルケ・インゲルス・グループ《グーグル・ベイ・ビュー》2022年 カリフォルニア州マウンテン・ビュー

今年秋に本格スタートする「麻布台ヒルズ」の低層部も設計しています。傾斜の多い地形を生かした柔らかで緑の多い街並み。使う素材もニュアンスに富んでいます。窓から当該の工事エリアをナマで見られるのも嬉しいです。東京の人は関心大でしょう。「こんな街ができるのか」という興奮を味わえます。

《麻布台ヒルズ/低層階》2023年(予定) 東京

《麻布台ヒルズ》の低層部に使われるコンクリート素材のサンプル。あえて均一でない、風合いのあるものを選んでいます
東京シティビューの窓からは、《麻布台ヒルズ》の工事現場がよく見えます。このロケーションならではの立体的な展示です。

遊び心にあふれたプロダクトにも注目。彫刻作品のような椅子《スパン》は、人が座ると弧を描きながら360度回転します。

世界各地で展開した主要なプロジェクト、計28件が紹介されます。

《ツァイツ・アフリカ現代美術館》2017年 ケープタウン
《シンガポール南洋理工大学 ラーニング・ハブ》
《上海万博英国館》2010年

スタジオ創設者のトーマス・ヘザウィックさんも来日。「人の心を打たない、魂を失った建物が多過ぎます。人に愛されない建物は簡単に壊されますし、人のメンタルにも環境にもよくない。できる限りの思いを込めて、長生きできる建物を作りたい」と熱く語りました。

小さい頃から職人芸の手わざが好きだったというヘザウィックさん。日本国内の寺院のプロジェクトを手掛けるなど日本の文化にも詳しいです。「日本には素晴らしい職人かたぎがあり、精度の高い仕事をしています」。会場には暖簾や垂れ幕から着想を得たバナーなどがあちこちに下がります。

バナーに映っているのはヘザウィックさんの手

建築やデザイン、街づくりに関心ある方はぜひ!大きな建物や空間にも魂を込めることはできるのか。その挑戦の数々を見られます。「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」は東京シティビュー(六本木ヒルズ)で6月4日(日)まで。詳しくは展覧会サイトへ。(美術展ナビ編集班 岡部匡志)

へザウィック・スタジオ展:共感する建築

  • 会期

    2023年3月17日(金)6月4日(日) 
  • 会場

  • 観覧料金

    [平日]一般2,000円(1,800円)、学生(高校・大学生)1,400円(1,300円)、子供(4歳~中学生)800円(700円)、シニア(65歳以上)1,700円(1,500円)

    [休日]一般2,200円(2,000円)、学生(高校・大学生)1,500円(1,400円)、子供(4歳~中学生)900円(800円)、シニア(65歳以上)1,900円(1,700円)

    ()は専用オンラインサイトでチケット購入時の適用料金

  • 開館時間

    10:00〜22:00 (最終入館は21:00)
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