「アートミステリー 国立西洋美術館誕生秘話 ~モネを救え~」 BS11で3月21日夜放送 アートファン必見! 松方幸次郎らの情熱、数奇な運命をたどった名画の軌跡を追う

タイトル:アートミステリー 国立西洋美術館誕生秘話 ~モネを救え~
ナビゲーター:本仮屋ユイカ
放送日:BS11 3月21日(火・祝)19:03~20:30
番組HP:https://www.bs11.jp/feature/mone-sukue/
モネを口説いた男「松方幸次郎」とは?
『日本人に本物の絵をみせてやりたい』。大正時代、壮大な夢を持ち、そのロマンに人生かけた一人の日本人がいました。 実業家・松方幸次郎です。

内閣総理大臣を務めた松方正義の三男として誕生、初代の川崎造船所社長に30歳の若さで就任しました。

数百億ともいわれる莫大な資金を投じロンドン・パリなどで多くの名画や彫刻を収集。時には印象画の巨匠クロード・モネに直接想いを伝え名画「睡蓮」の購入を果たし、また、巧みな交渉で画商からゴッホの名画をも獲得しました。その数は1万点を超えたとも言われています。

しかし、時代は無情にも世界的な金融恐慌に続き、第二次世界大戦の戦火に見舞われていきます。 これらの名画もこの大きな渦に翻弄されるのです。

日本とフランス、国を巻き込んだ苦闘の返還交渉
ロンドンに留め置かれた名画は、1939年の火災によりほとんどが消失。フランスに残された名画はナチスの侵略から逃れるため、ある男が命がけでパリから疎開させ守り通しました。

終戦後は敵国人財産としてフランスに留め置かれた名画を寄贈返還という形で日本に返還を果たした外交官たちの苦労もありました。

このコレクションを基礎に、西洋美術を広く国民に親しんでもらうための施設として、国立西洋美術館が東京・上野の地で1959年(昭和34年)に発足しました。多くの先人たちの情熱と努力のおかげで私たちは今、こうした名画を楽しむことができるのです。


この番組は、数奇な運命をたどった名画の軌跡とそれに関わった人々の歩みを追いながら、巨匠ル・コルビュジエ設計の建築が世界文化遺産に登録されている「国立西洋美術館」誕生の秘話に迫るアートミステリーです。
国立西洋美術館・日本外務省に保管されている公式文書、フランスに残された資料や海外メディアに掲載された記事を元に紐解いて行きます。さらに、松方コレクションの モネ・ルノワール・ゴッホ・マネなどの名画を国立西洋美術館・フランスの学芸員の専門的な解説を交えながらご紹介します。
ナビゲーターは本仮屋ユイカさん「その絵の前にいること自体が奇跡」
アートファンとしても知られる本仮屋ユイカさんがナビゲートしてくれます。視聴者へのメッセージを寄せてくれました。
「絵は予備知識がなくてもその当時の永遠を一瞬にして私たちに見せてくれるものですよね。でもその背景にあるエピソードや、そこにどんなドラマがあるのか知っている方がより親しみを持って、楽しんで絵を観ることができると思うので、この番組がそのきっかけになれたらとてもうれしいです。
絵を観ていると、この絵は長い旅を経て、今、この目の前にいるんだな、絵に足が付いているんじゃないだろうか、と錯覚してしまうような、奇跡をすごく感じるんです。一堂に揃った絵を観られるチャンスはもしかしたら今だけかもしれませんし、皆さんがその絵の前にいること自体が奇跡なんだと思います。絵もそうですし、一つ一つの出会いの先にどれだけのミステリーとヒストリーがあったのかということに対して、改めて思いを馳せることのできる番組だと思います。
春の上野はすごく素敵なので、ぜひこの『国立西洋美術館誕生秘話』をご覧いただき、国立西洋美術館に足を運んでみてください。」
(美術展ナビ編集班 岡部匡志)