【2023年版】東京のオススメ花見スポット×美術館・博物館

今年も桜の季節が到来しました。美術館や博物館巡りとセットにぶらりとお花見をしてみるのはいかがでしょうか。「週末いきたい!美術展・展覧会」の拡大版として、東京のお花見スポットの近くにある美術館・博物館を紹介します。桜の開花状況を、美術展ナビ編集班が今年もレポートをして更新していきます。
上野公園
東京の桜の名所の代表格といえば上野公園。上野公園にはたくさんの博物館や美術館が集まっています。

東京国立博物館では恒例の「博物館でお花見を」が3月14日から4月9日まで開催されています。各展示室にある作品のうち桜をモチーフにしたものにはプレートが付けられています。
上野公園で開催中(開催予定)の主な展覧会はこちら。
「憧憬の地 ブルターニュ」国立西洋美術館で3月17日から。
特別展「東福寺」が東京国立博物館平成館で5月7日まで。
「エゴン・シーレ」展が東京都美術館で4月9日まで。
「恐竜博2023」が国立科学博物館で6月18日まで。
「VOCA展2023 現代美術の展望――新しい平面の作家たち」が上野の森美術館で3月30日まで。
「買上展 -藝大コレクション展2023-」が東京藝術大学大学美術館で3月31日から。
皇居周辺
千鳥ヶ淵や牛ヶ淵の皇居のお濠に映るピンク色は都内でも随一の景観として知られています。今年は久しぶりに「千代田さくら祭り」が開催され、3月25日と26日の2日間は、無料の丸の内シャトルバスがルートを延伸し、牛ヶ淵に近い千代田区役所前、神保町古書店街、神田明神前、日本橋室町なども回ります。

千鳥ヶ淵の近くには東京国立近代美術館があります。同館では恒例の「美術館の春まつり」を3月17日から4月9日まで開催。コレクション展示「MOMATコレクション」(3月17日から5月14日まで)では、吉野の桜を描いた菊池芳文《小雨ふる吉野》など華やかな作品が勢ぞろいします。例年は、この時期だけお目見えの川合玉堂《行く春》(重要文化財)は、今年は、3月17日から企画展ギャラリーで開催の「重要文化財の秘密」展に登場します。
皇居の周りでは半蔵門の国立劇場の庭園(無料)も様々な種類の桜を楽しめます。今年10月で建て替えのため閉場するので、今年が初代国立劇場では”最後”の花見となります。3月18日~4月3日まで「初代国立劇場さよなら記念 令和5年国立劇場さくらまつり」が4年ぶりに開催されます。
劇場の裏側には、無料の伝統芸能情報館があり、4月9日まで「国立劇場所蔵 上方浮世絵展」が開かれています。
六本木
東京ミッドタウンにはソメイヨシノを中心に約100本の桜があり、開花時は散策やライトアップが楽しめます。隣接の檜町公園も桜の名所です。3月15日から4月16日まで「MIDTOWN BLOSSOM 2023」と題して様々なイベントが組まれています。ミッドタウン内にはサントリー美術館、またすぐそばには国立新美術館があります。

サントリー美術館では「木米」展が3月26日まで。
国立新美術館では「ルーヴル美術館展 愛を描く」が6月12日まで。
近くの六本木ヒルズには回遊式の毛利庭園(無料)があり、近くの六本木さくら坂とあわせて桜の名所になっています。六本木ヒルズ内には複数の美術館(森美術館、森アーツセンターギャラリー、東京シティビュー)があります。

森アーツセンターギャラリーでは人気を集める「ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END」が4月10日まで。
東京シティビューでは「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」が開幕。ロンドン発の注目のデザイン集団です。6月4日まで。
森美術館では、現代日本を代表するアーティストたちの作品が集う「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」が3月26日(日)まで。
少し都心方面に行くと、六本木一丁目では、昨年3月にリニューアルオープンした泉屋博古館東京があります。

3月18日から特別展「大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101」が始まります。
泉屋博古館東京のすぐそばには、大倉集古館があります。しばらくリニューアルで休館していましたが、4月4日からの特別展「愛のヴィクトリアン・ジュエリー」で再開です。
目黒川
都内屈指の花見の人気スポット。目黒川沿いの約4キロに、約800本もの桜が咲き誇ります。近くには目黒区美術館、また少し足を延ばせば東京都庭園美術館や東京都写真美術館、松岡美術館などがあり、注目展を開催中です。


東京都庭園美術館で4月1日から恒例の「建物公開2023」が開催。今年のテーマは「邸宅の記憶」です。
松岡美術館で「美しい人びと 松園からローランサンまで」が6月4日まで開かれています。
神田川
神田川沿いにも花見の名所がたくさんあります。

文京区の江戸川公園(ややこしいのですが現在の江戸川ではなく神田川のこと)もそんな人気スポットのひとつです。細長い公園をさらに上流に向かって少し歩くと、肥後細川庭園があります。文京区が整備した無料の公園で、金沢の兼六園をコンパクトにしたような本格的な庭園です。名前の通り、江戸・明治には肥後細川家の庭園だったようで、台地の上には細川家の名宝を伝える永青文庫があります。

永青文庫では「揃い踏み 細川の名刀たち」展が5月7日まで開催中です。本展は完全なオンライン予約制なので、ぶらりと花見のついでではなく、行く前にはぜひ予約をすませてから足をお運びください。
飛鳥山
江戸時代から桜の名所といえば王子の「飛鳥山」です。

王子の周辺には、お札を印刷する国立造幣局や洋紙発祥の地であることから、「お札と切手の博物館」(入館無料)や「紙の博物館」、渋沢栄一が住んでいた邸宅跡に「渋沢史料館」などがあります。また日本庭園と洋風庭園が調和する都立「旧古河庭園」も春の散策にはぴったりです。
砧公園
世田谷の砧公園にはソメイヨシノやヤマザクラなど約930本があります。

世田谷美術館では「世田谷美術館コレクション選 わたしたちは生きている! セタビの森の動物たち」が4月9日まで開催されています。
(読売新聞美術展ナビ編集班)