【プレビュー】「開館25周年記念展 京都 細見美術館の名品 -琳派、若冲、ときめきの日本美術-」大阪髙島屋で3月22日から日本橋髙島屋S.C.で4月26日から

伊藤若冲 雪中雄鶏図 江戸中期 細見美術館蔵

京都・細見美術館の名品の数々が紹介される「開館25周年記念展 京都 細見美術館の名品-琳派、若冲、ときめきの日本美術-」が、大阪髙島屋で3月22日から、日本橋髙島屋S.C.で4月26日から、ジェイアール名古屋タカシマヤで12月23日から開催されます。

昭和の実業家 細見良氏(初代古香庵)に始まる細見家三代が、80年近くを費やして蒐集した日本美術のコレクションで国内外から高い評価を受けている細見美術館(京都市)。開館25周年記念して開催される本展では、日本の美への強い憧れと情熱が貫かれた細見美術館のコレクションから、人気の高い江戸絵画をはじめ、日本美術史の各時代や分野を象徴する選りすぐりの優品約100件が紹介されます。

1. 祈りのかたち

「神や仏に捧げられた造形にこそ真の尊さがある」とする初代古香庵の信念から蒐集された、切なる願いが込められた仏画や、美麗を尽くした荘厳具などからは、日本美術の優美さ、繊細な感性、力強さを見出すことが出来ます。

金銅誕生釈迦仏立像 飛鳥時代 細見美術館蔵
(上から) 重要美術品 金銅三昧耶五鈷鈴 鎌倉時代、重要美術品 金銅五鈷杵 平安後期、 重要美術品 金銅金剛盤 室町時代 細見美術館蔵

2.数寄の心

初代古香庵は、蒐集した美術品を自在に取り合わせ茶席で用いるなど、茶の湯を通じて日本美術の普及を願いました。特に室町時代を主とする茶の湯釜、根来は研究にも熱を入れ、他に類をみないコレクションとなりました。

志野茶碗 銘「弁慶」 桃山時代 細見美術館蔵
重要美術品 芦屋十一面観音香炉釜 天文3年(1534)銘 細見美術館蔵
根来亀甲文瓶子 室町時代 細見美術館蔵

3.華やぎのとき

日本では近世に、身近な空間を彩る調度品や人々の衣裳に美しい意匠や精巧な技術が凝らされ、豊かな「かざり」が展開されました。こちらの章では、蒔絵作品、貴重な七宝コレクションのほか、北斎の肉筆浮世絵を含む風俗画により、日本美術の特徴といわれる「かざりの美」を堪能できます。

七宝夕顔文釘隠 桃山時代 細見美術館蔵
藤蒔絵堤重 江戸後期 細見美術館蔵
葛飾北斎 五美人図 江戸後期 細見美術館蔵
花車図屛風 江戸後期 細見美術館蔵

4.琳派への憧れ

江戸初期の京都で誕生した美の潮流「琳派」。本阿弥光悦(1558~1637年)、俵屋宗達(生没年不詳)から近代の神坂雪佳(1866~1942年)まで、20人を超える作家が含まれる二代古香庵によるコレクションから、代表的な作品が紹介されます。

鈴木其一 水辺家鴨図屛風 江戸後期 細見美術館蔵
本阿弥光悦 書/ 俵屋宗達 下絵 月梅下絵和歌書扇面 江戸前期 細見美術館蔵
酒井抱一 桜に小禽図 江戸後期 細見美術館蔵

5.若冲のちから

独創的な絵画で広く知られる伊藤若冲(1716~1800年)。初期の著色画から晩年の水墨画まで、細見美術館の充実のコレクションを通じて若冲の表現力を体感できるでしょう。

伊藤若冲 雪中雄鶏図 江戸中期 細見美術館蔵
伊藤若冲 糸瓜群虫図 江戸中期 細見美術館蔵
伊藤若冲 仔犬に箒図 江戸中期 細見美術館蔵
伊藤若冲 鶏図押絵貼屛風(左隻) 寛政9年(1797)頃 細見美術館蔵

代々の細見家の驚くべき先見性、そして、真の鑑識眼によって蒐集されたコレクションによって、細見美術館ならではの美の世界を味わえる展覧会です。
(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班)

開館25周年記念展 京都 細見美術館の名品 -琳派、若冲、ときめきの日本美術-
大阪会場:大阪髙島屋7階グランドホール
会期:2023年3月22日(水)~4月10日(月)
入場時間:午前10時〜午後6時30分(午後7時閉場) ※最終日は午後4時30分まで(午後5時閉場)
東京会場:日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール
会期:2023年4月26日(水)~5月15日(月)
入場時間: 午前10時30分~午後7時(午後7時30分閉場)※最終日は午後5時30分まで(午後6時閉場)
名古屋会場:ジェイアール名古屋タカシマヤ10階特設会場
会期:2023年12月23日(土)~2024年1月7日(日)
午前10時〜午後7時30分(午後8時閉場) ※最終日1月7日(日)は午後4時30分まで(午後5時閉場)
入場料:一般 1,200円、大学・高校生 1,000円、中学生以下無料
詳しくは展覧会ホームページへ。