世田谷美術館が2023年度の展覧会スケジュールを発表 「麻生三郎」「シャガール」「倉俣史朗」など

世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園)が、2023年度の展覧会情報を発表しました。4月から「麻生三郎」展、7月から「シャガール」展、9月から「土方久功と柚木沙弥郎」、11月から「倉俣史朗のデザイン」が開催されるなど、5つの企画展と3つのミュージアムコレクション展(収蔵品展)の開催が予定されています。
麻生三郎展 三軒茶屋の頃、そしてベン・シャーン
会期:2023年4月22日(土)~6月18日(日)

画家・麻生三郎(1913-2000)は、現代の人間像を鋭く見つめ、戦後美術に確かな足跡を印しました。麻生が世田谷区三軒茶屋に住んだ1948年から1972年までの約25年間に焦点をあてる本展では、この時期の代表作《ひとり》、《赤い空》などが展示されるほか、同時代の文学者との交流や、自ら蒐集した20世紀アメリカを代表する社会派の画家ベン・シャーン(1898-1969)の作品群も併せて紹介されます。
シャガール 版にしるした光の詩 神奈川県立近代美術館コレクションから
会期:2023年7月1日(土)~8月27日(日)
恋人や花束、動物たちを幻想的で色彩豊かに描いた作品が印象的な画家、マルク・シャガール(1887-1985)。シャガールは版画制作にも精力的に取り組み、絵画とは一味違った魅力ある作品を生み出しました。
本展では神奈川県立近代美術館の所蔵品から『ダフニスとクロエ』や『サーカス』をはじめ各年代を代表的する版画作品が紹介されるほか、物語やモティーフ、技法などに注目しながらその表現の深奥に迫ります。
土方久功と柚木沙弥郎――熱き体験と創作の愉しみ
会期:2023年9月9日(土)~11月5日(日)

10年以上にわたりパラオやサタワル島で暮らし、現地の人々や風景を主題とした彫刻、絵画を制作した土方久功(1900-1977)。そして、「民藝」の思想と芹沢銈介に影響を受け染色の道を志し、100歳を迎えた現在も活動を続ける柚木沙弥郎(1922-)。本展では世田谷美術館の収蔵品を中心に、平面、立体、絵本など多彩に広がる二人の創作が紹介されます。

倉俣史朗のデザイン――記憶のなかの小宇宙
会期:2023年11月18日(土)~2024年1月28日(日)

デザイナー、倉俣史朗(1934-1991)の展覧会が、東京では20数年ぶりに開催されます。見るものを日常の外へと誘い出す力を持つ倉俣の作品たち。アクリルやガラスのほか、建築用金属素材も用いて作り出される家具やインテリアは、今なお世界から高い評価を受け、影響を与え続けています。
本展では、初期から晩年までの作品に加え、その制作の背景となる夢日記やスケッチも紹介されます。

美術家たちの沿線物語 小田急線篇
会期:2024年2月17日(土)~2024年4月7日(日)
世田谷区内を走る鉄道と、その沿線で活動した美術家たちの創作と交流の足跡を辿る「沿線物語」シリーズ完結篇。
1927年に新宿~小田原間で開通した小田原急行鉄道(現・小田急電鉄)の沿線に焦点をあてる本展では、同館のコレクションより、沿線ゆかりの画家、髙山辰雄や横尾忠則や写真家の荒木経惟などの作品が並びます。また、白と黒の会(経堂界隈)や、
ミュージアム コレクション展(2階展示室)
ミュージアム コレクションⅠ
山口勝弘と北代省三展 イカロスの夢
会期:2023年4月22(土)~7月23日(日)
戦後日本の前衛芸術の出発点にあたるグループ「実験工房」。その一員であった山口勝弘(1928-2018)の晩年の絵画作品と、北代省三(1921-2001)が制作した凧を中心に、実験工房のメンバーの後年の制作活動の一端が紹介されます。
ミュージアム コレクションⅡ
雑誌にみるカットの世界 『世界』(岩波書店)と『暮しの手帖』(暮しの手帖社)
会期:2023年8月5(土)~11月19日(日)
戦後の同時期に創刊され現在まで続く雑誌、『世界』(岩波書店)と『暮しの手帖』(暮しの手帖社)。近年の収蔵品より、絵画、版画、彫刻、現代美術など幅広い描き手による『世界』のカットと、花森安治の手掛けた『暮しの手帖』のカットが紹介されます。
ミュージアム コレクションⅡ
美術家たちの沿線物語 京王線・井の頭線篇
会期:2023年12月2日(土)~2024年4月7日(日)
世田谷区内を走る鉄道と、その沿線ゆかりの美術家たちの創作と交流の足跡を辿るシリーズ。1913年と1933年に開通した、京王線および井の頭線に焦点を当て、明治の文豪・徳冨蘆花から洋画家・山口薫、建築家・石山修武など、さまざまな作家たちの作品が紹介されます。
(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班)
世田谷美術館 |
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住所:東京都世田谷区砧公園1-2 |
開館時間:10:00~18:00 ※最終入場時間17:30 |
休館日:月曜日 |
世田谷美術館の公式サイト |