奥村土牛の代表作《醍醐》ゆかりの桜が今年も開花 山種美術館 展覧会で《醍醐》も一緒に楽しめます

開花した「太閤千代しだれ」(3月12日、山種美術館で)

山種美術館(東京都渋谷区)の敷地で3月12日、同館のコレクションを代表する奥村土牛《醍醐》ゆかりの桜、「太閤千代しだれ」が開花しました。ここ最近の好天で、昨年(3月14日)より2日早く咲きました。12日は1輪、13日午後には8輪のピンクのつぼみがほころびました。

この桜は豊臣秀吉が1598年に「醍醐の花見」を行ったことで知られる京都・総本山醍醐寺の「太閤しだれ桜」を組織培養増殖したものです。住友林業より寄贈され、2021年11月15日に植樹されました。

原木は樹齢約170年と言われ、奥村土牛が代表作《醍醐》(1972年)で描いたことから、「土牛の桜」とも呼ばれています。

奥村土牛 《醍醐》1972(昭和47)年 紙本・彩色 山種美術館蔵

今年は同館で開催中の「【特別展】世界遺産登録10周年記念 富士と桜 ―北斎の富士から土牛の桜まで―」(5月14日まで)に奥村土牛《醍醐》が出品されており、「太閤千代しだれ」と土牛《醍醐》の二つの桜を美術館で楽しめる初の機会となります。同館へ鑑賞に行かれる方は、玄関横の桜もぜひお見逃しなく。「太閤千代しだれ」は3月中旬から下旬にかけて見ごろを迎えると予想されます。

2021年11月15日に行われた「太閤千代しだれ」の植樹式(山種美術館で)

桜の開花状況は今後も同館のSNSでチェックできます。(https://twitter.com/yamatanemuseum

(美術展ナビ編集班 岡部匡志)