【開幕】アルミが奏でる“スコア”とは? 「金沢健一 アルミニウム・ワークス2001-2023」(埼玉・川越市立美術館)

彫刻家・金沢健一さんの展覧会「金沢健一 アルミニウム・ワークス2001-2023」が、川越市立美術館で開幕しました。


2011年に開催した回顧展など、同館で教育普及も兼ねた展示を重ねるなかで、今回は新作をはじめ関東圏では未発表の作品を中心に、アルミを素材とした作品を展示しています。
川越にアトリエを構えて35年になる金沢さん。会場を入って最初の作品《Scores》は、音楽家と交流を重ねていく中で、2015年にスタートさせた彫刻と音楽との一体化を試みるシリーズ。アルミに刻まれたカットは、実は音楽譜面を模しているというユニークな作品。


「《Scores》では、アルミ作品の展開図が譜面とリンクしています。会場に流れる音楽は、それを奏でたもの。それぞれのスコアを再生したり逆再生したり……無音の部分もあります。《Scores》は“刻む”という意味も持っています、言葉の意味が重なって生まれた作品です。」(金沢さん)


さらに新作では、シンプルなアルミの角パイプを格子状に並べるところから着想を得ています。金沢さんの作品は、その空間に配置されてはじめて完成されるもの。壁に並んだ作品群は、一見同じように見えてその並べ方や見えている面などがすべて異なります。ぜひじっくりと鑑賞してみてください。


3月26日まで。

金沢健一 アルミニウム・ワークス2001-2023