【プレビュー】「大蒔絵展 ―漆と金の千年物語」徳川美術館で4月15日から 国宝14件を含む各時代の名品で知る蒔絵の世界

漆が乾かないうちに金粉や銀粉を蒔きつけて文様をあらわす日本独自の漆の工芸「蒔絵」。徳川美術館(名古屋市)で4月15日から5月28日まで「大蒔絵展 漆と金の千年物語」が開催されます。日本の理想の美であり続けた蒔絵の世界を、14件の国宝を含む、平安時代から現代の漆芸作家の作品まで、各時代を代表する名品を通じて紹介。昨年開催されたMOA美術館と三井記念美術館、そして徳川美術館の私立3館による共同開催で実現した豪華な内容です。
大蒔絵展 ―漆と金の千年物語 |
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会場: 徳川美術館(名古屋市東区徳川町) |
会期: 2023年4月15日(土)~5月28日(日) ※展示替えあり |
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日:月曜日 ※GW期間:5月2日(火)~5月7日(日)は休まず開館 |
観覧料:一般 1,600円・高大生 800円・小中生 500円 ※土曜日は高校生以下無料 |
詳しくは、展覧会の公式サイトへ |
国宝の展示スケジュールは以下の通り。
【展示期間】4月15日~5月28日 通期
「初音蒔絵文台・硯箱」幸阿弥長重作 江戸時代・寛永16年(1639) 徳川美術館蔵
「初音蒔絵十二手箱」幸阿弥長重作 江戸時代・寛永16年(1639) 徳川美術館蔵

【展示期間】4月15日~5月7日 前期
「仏功徳蒔絵経箱」平安時代・10世紀 藤田美術館蔵
「宝相華蒔絵宝珠箱」平安時代・10~11世紀 仁和寺蔵
「籬菊螺鈿蒔絵硯箱」鎌倉時代・13世紀 鶴岡八幡宮蔵
「初音蒔絵貝桶」幸阿弥長重作 江戸時代・寛永16年(1639)徳川美術館蔵
「舟橋蒔絵硯箱」 伝 本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵


【展示期間】4月27日~5月7日
「源氏物語絵巻 宿木一」平安時代・12世紀 徳川美術館蔵
「金地螺鈿毛抜形太刀」平安時代・12世紀 春日大社蔵

【展示期間】5月9日~28日
「松椿蒔絵手箱」阿須賀神社伝来 南北朝時代・明徳元年(1390)頃 京都国立博物館蔵
「宝相華蒔絵経箱」平安時代・11世紀 延暦寺蔵
「蓮唐草蒔絵経箱」神宮寺伝来 平安時代・12世紀 奈良国立博物館蔵
「胡蝶蒔絵挟箱」幸阿弥長重作 江戸時代 寛永16年(1639) 徳川美術館蔵
【展示期間】5月20日~28日
「源氏物語絵巻 柏木一」平安時代・12世紀 徳川美術館蔵

現代に続く蒔絵の長い歴史を展観
展示構成は、「第1章 源氏物語絵巻と王朝の美」「第2章 神々と仏の荘厳」「第3章 鎌倉の手箱」「第4章 東山文化―蒔絵と文学意匠」「第5章 桃山期の蒔絵―黄金と南蛮」「第6章 江戸蒔絵の諸相」と時代順で、蒔絵の長い歴史を展観できます。
「第2章 神々と仏の荘厳」で展示

「第3章 鎌倉の手箱」で展示

「第5章 桃山期の蒔絵―黄金と南蛮」で展示

「第6章 江戸蒔絵の諸相」で展示

そして、「第7章 近代の蒔絵―伝統様式」と「第8章 現代の蒔絵―人間国宝」で、人間国宝の室瀬和美の作品など、現代に続く蒔絵の美も紹介されます。

(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)