【BOOKS】『教養としての日本の城 どのように進化し、消えていったか』(平凡社新書) 栄枯盛衰の歴史を「世界」との繋がりから見る 香原斗志さんの新著

「美術展ナビ」で<城、その「美しさ」の背景>を好評連載中の歴史評論家、香原斗志さんの新著、『教養としての日本の城 どのように進化し、消えていったか』が平凡社新書から発刊されました。
近年幅広い世代に愛好家を増やしている城を、「世界とつながる日本」という視点でとらえ直す内容です。高くそびえる天守閣、水を湛えた堀、堅固な石垣、といったいわゆる「城」のかたちは安土城に始まりました。その安土城から「最後の城」五稜郭までの名だたる城を眺めていくと、300年の間に生まれ、栄え、そして衰退していった城の歴史が見えてきます。
南蛮文化からの影響がうかがい知れる、絢爛豪華な安土城にはじまり、戦国時代の築城技術は外国の文化を取り入れつつ進化していきます。しかし江戸時代に入ると、一国一城令や鎖国政策により状況は一変。外国から閉ざされた日本で、城の形態は独自の発展を遂げたが、それは城という文化の衰退の始まりでもありました。
すでに城に詳しい読者には新たな視点を提供し、「これから城について知っていきたい」という読者は日本の城の歴史が流れでわかる、入門にぴったりの本です。
香原さんは「日本の城はドメスティックに発展を遂げたと思っている人が多いように思いますが、城が大きく進化した時代、日本は西洋との交流が盛んで、戦国武将たちは軒並み、その影響を大きく受けていました。城にその影響が及ばなかったはずはなく、そういう視点から日本の城を眺めると、また違った見え方がすると思います。こうした角度で城を扱った本はあまりなく、あたらしい視野を提供できたのではないかと自負しています」と話しています。
〈本書に登場する城〉
安土城/大坂城/小田原城/熊本城/姫路城/二条城/彦根城/名古屋城/江戸城/島原城/原城/丸亀城/宇和島城/高知城/松山城/松前城/五稜郭
〈書籍情報〉
書名:教養としての日本の城 どのように進化し、消えていったか
著者:香原斗志 発売日:2023年2月15日 頁数:256頁
定価:本体920円(税別) ISBN:978-4-582-86023-8
購入などはこちら↓から
https://www.heibonsha.co.jp/book/b618881.html
(美術展ナビ編集班 岡部匡志)
香原さんの<城、その「美しさ」の背景>などはこちら↓から。