【開幕】「アートを楽しむ―見る、感じる、学ぶ」アーティゾン美術館で5月14日まで モネやセザンヌなどをひと味違った展示方法で

クロード・モネ《黄昏、ヴェネツィア》1908年頃

アートを楽しむ―見る、感じる、学ぶ
会場:アーティゾン美術館(東京都中央区京橋1-7-2
会期:2023年2月25日(土)~5月14日(日)
休館日:月曜日
開館時間:10:00~18:00(5月5日を除く金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
入館料:ウェブ予約チケット1,200円 当日チケット(窓口販売)1,500円 学生無料(要ウェブ予約)
同時開催 「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展
ダムタイプ|2022: remap」「石橋財団コレクション選」
詳細は公式サイトへ。

開幕前日の内覧会を取材

アーティゾン美術館では前身のブリヂストン美術館時代を含めて2300回を超える「土曜講座」や学校の団体鑑賞「スクールデー」など、さまざまなラーニングプログラムを提供してきました。本展では、プログラムの成果をもとに、収蔵作品から厳選された作品を、「肖像画のひとコマ」「風景画への旅」「印象派の日常空間」という3つのセクションで紹介します。ひと味違った展示方法により、作品をじっくりと見て、その世界を感じ、深く学ぶことができます。

section1「肖像画のひとコマ――絵や彫刻の人になってみよう」

このセクションを入ると、一見すると同じ構図の絵が並んでいます。青木繁の《海の幸》(重要文化財)と、それに触発された美術家の森村泰昌さんが2021年に制作した《M式「海の幸」》です。(ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話」展

右 重要文化財 青木繁《海の幸》1904年 左奥 森村泰昌《M式「海の幸」第1番:假象の創造》2021年

肖像画の名手として知られるエドゥアール・マネですが「自画像」は多くないそうです。そんな《自画像》は、右左が逆の鏡に写った状態で描かれています。他人を観察して描くことと、自分自身を描くことの違いが分かります。

左 エドゥアール・マネ《自画像》1878-79年 右 ナダール(フェリックス・トゥールナション)《エドゥアール・マネ》(写真)

 

小出楢重《帽子をかぶった自画像》(1924年)と再現されたアトリエ

section2「風景画への旅――描かれた景色に浸ってみよう」

絵画表現のなかで主要な主題である風景画。描かれた風景の中を旅している気持ちで鑑賞することで、風景画の楽しみは広がると説明されていました。ぜひ身につけたい鑑賞方法です。

ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》1904-06年頃
クロード・モネ《睡蓮の池》1907年

section3「印象派の日常空間――近代都市パリに行ってみよう」

最後のセクションでは、印象派の絵画が描かれた時代のパリの日常を、印象派の作品だけでなく、地図やグランドピアノの実物などの展示を通じて感じることができました。

「印象派の日常空間」展示風景

6階ではダムタイプ 4階ではコレクション選

本展の会場は5階です。入館してエレベーターで最初に降りる6階では「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap」が、4階では「石橋財団コレクション選」「特集コーナー展示 画家の手紙」が同時開催されています。
ダムタイプ展については下の記事をご覧ください。


コレクション選では、マティス、ピカソ、ルオー、佐伯祐三、藤田嗣治、岸田劉生など洋画のほか、国宝の因陀羅《禅機図断簡》などが展示されています。
(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)