【プレビュー】「今井俊介 スカートと風景」4月15日から、東京オペラシティアートギャラリーで

《untitled》2017 アクリル、カンヴァス 東京都現代美術館蔵

鮮やかなストライプが印象的な絵画シリーズを手がける気鋭のアーティスト、今井俊介さん(1978-)の表現を一堂に紹介する「今井俊介 スカートと風景」が、4月15日から東京オペラシティアートギャラリーで開かれます。

《untitled》2017 アクリル、カンヴァス 作家蔵

代名詞とも言えるストライプの絵画に至る過程ともいえる作品群を新たに加え、初期作品から今年の新作まで、絵画を中心に立体や映像、インスタレーションなど、さまざまな表現方法が展開されます。

独自のポップな色彩感覚で、波や旗のようにも見えるイメージを表した絵画シリーズは、ある時ふと目にした知人の揺れるスカートの模様や、量販店に積み上げられたファストファッションの色彩に強く心を打たれた体験が原点となっているそうです。タイトルはそこから付けられました。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館展示風景 2022 photo:岡野圭
《untitled》2011 アクリル、カンヴァス 高橋大輔氏蔵

①初期作品も展示

今井さんは、国内外で作品を多数発表し、国内の美術館に作品が収蔵されるなど注目が高まっています。本展は、今井さんの美術館初の大規模個展として開催された「今井俊介 スカートと風景」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2022)の東京での巡回展になります。鮮やかなストライプを特徴とする絵画シリーズ《untitled》の原点となる2011年の作品から、2023 年現在までの10 年以上におよぶ表現をかつてない規模で一堂に紹介するとともに、東京展では初期作品が新たに展示されます。

「今井俊介 range finder」展示風景 HAGIWARA PROJECTS 2019 photo:田中和人

②立体、インスタレーションなど幅広い表現にも注目

今井さんの絵画は、鮮やかな色彩を大きな特徴としています。ストライプや水玉といった単純な色と形の組み合わせによる模様が波打ったり歪んだりしながら配置される作品は、絵画に対する飽くなき探求といえます。

一方で、今井さんは、ジャンルを横断した様々な作品も手掛けています。立体作品やインスタレーション、ファッションブランドとのコラボレーションによる衣服や、舞台映像作家の山田晋平さんとの共作による映像作品など、多彩な表現形式も楽しめます。

③東京オペラシティアートギャラリーの空間にあわせた新たな展示

オペラシティの空間にあわせ、布を使った大規模なインスタレーションが作られます。

④オリジナルグッズの展開

当館ミュージアムショップGallery5 では、本展にあわせてオリジナルグッズが展開されます。ポストカードや、今井さんの作品がプリントされた反物から切り出して製作するトートバッグ、ポーチ、ハンカチ、エプロンなどが販売されます。本展のポスターやフライヤーをデザインした長嶋りかこさん(village®)によるデザインも注目です。

<今井俊介さん略歴>

制作風景 photo:田中和人

1978 年 福井県に生まれる。2004 年 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。主な個展に「第8 回 shiseido art egg 今井俊介 range finder」(資生堂ギャラリー、東京、2014)、「float」(HAGIWARA PROJECTS、東京、2017)、「range finder」(Kunstverein Grafschaft Bentheim、ドイツ、2018) ほか多数。愛知県美術館、東京都現代美術館、福井県立美術館などに作品が収蔵されている。

「今井俊介 スカートと風景」
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区西新宿3-20-2)
会期:2023年4月15日(土)~6月18日(日)
開館時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:月曜日(ただし5月1日は開館)
入館料:一般1,400円、大・高生800円、中学生以下無料
詳しくは、同館HP