週末いきたい!「書」が見られる展覧会・美術館

今週の週末いきたい!のテーマは「書」です。東京国立博物館と台東区立書道博物館では、連携企画「王羲之と蘭亭序」が開催されています。今週、報道内覧会が行われました。漢字文化圏のスーパースター王羲之おうぎしをイチから知ることができる機会になりそうです。

「王羲之と蘭亭序」東京国立博物館と台東区立書道博物館

台東区立書道博物館で

特に書道博物館の解説はとても親切です。東博と書道博物館は徒歩15分ほどの距離ですが、まず書道博物館をオススメします。書道博物館は1月31日の開幕以来「週刊瓦版」を毎週火曜に発行。展示での丁寧で豊富な解説を含め、王羲之と蘭亭序のことを伝えたいという気持ちがみなぎってます。
東京国立博物館東洋館で

書道博物館では国宝3件を含む99件、東博東洋館では115件と両館で計200点以上、全7章構成のボリュームです。記者はコロナ前の2019年に東博平成館での特別展「顔真卿」で外まで続く列に並んだ思い出がありますが、東博のほうも常設(総合文化展)なので、ゆったりと心ゆくまで名筆の世界に浸ることができると思います。
図録と瓦版

128ページでフルカラーの図録(1200円)も人気とのこと。同展は4月23日まで(前期3月12日まで)。

特別展「知の大冒険ー東洋文庫 名品の煌めきー」京都文化博物館 21日から

王羲之の書のスタイルは、中国での試験(科挙)で答案に書くきれいな文字としても重視されたそうです。清の時代の金榜(きんぼう)という人が科挙の首席合格した際の美しい文字の答案『殿試策』が、来週火曜日(2月21日)の開幕ですが、京都文化博物館で開催される特別展「知の大冒険ー東洋文庫 名品の煌めきー」で展示されます。そのほか、中国雲南省に生きている象形文字(トンパ文字)など、東洋学の分野でアジア最大級の東洋文庫が有する国宝や重要文化財をはじめとする所蔵品約120件が公開されます。

「不変/普遍の造形―住友コレクション中国青銅器名品選―」泉屋博古館東京

2月26日まで泉屋博古館東京で「不変/普遍の造形 住友コレクション中国青銅器名品選」が開催されています。世界屈指の住友コレクションの中国青銅器には、王羲之よりはるか古の中国の文字(金文)が刻まれているものも複数並んでいます。

「仏具の世界 信仰と美のかたち」根津美術館

2月18日に開幕した企画展「仏具の世界」展では、空海直筆の「座右の銘」(重要文化財「崔子玉座右銘」大師会蔵)を見ることができます。空海ならではの動きのある筆跡、書のファンは必見です。


(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)