【開幕】「8Kだから見えてくる ルーブル美術館 空間を超えた映像アート体験」2月26日(日)まで、東京・NTTインターコミュニケーション・センターで

《モナ・リザ》などルーブル美術館の名作を、大型スクリーン上に8K高精細映像で映し出すイベントが、2月14日(火)から東京・初台の東京オペラシティタワー4階のNTTインターコミュニケーション・センターで始まります。開幕前日のプレス内覧会を取材しました。
ジャック=ルイ・ダヴィッドの《ナポレオン1世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠》などの絵画や、彫刻の《サモトラケのニケ》などが約20分の映像で紹介されます。

Coproduction 8K NHK- Musée du Louvre
スクリーンの大きさは横7.2㍍、高さ4㍍です。実物大の《モナ・リザ》(縦77㌢、横53㌢)を写すと、スクリーンの大きさが分かると思います。

Coproduction 8K NHK- Musée du Louvre
さすが8K映像ですね。かなり引き伸ばしても、くっきりと見えます。目の周りを拡大してみると、輪郭線を描かずに、透明な絵の具を薄く塗り重ねて、微妙な色合いで光と影を表現したレオナルド・ダ・ヴィンチのタッチがよく分かります。

Coproduction 8K NHK- Musée du Louvre
《ナポレオン1世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠》は1804年、パリのノートルダム寺院で、皇帝へと上り詰めたナポレオンの戴冠式を描いた作品です。縦6㍍、横9㍍以上あるルーブルでも最大級の名作で、参加者たちは肖像画並みに描きこまれているので、8K映像で見ると色々なことが発見できます。

Coproduction 8K NHK- Musée du Louvre
8K映像では皇妃ジョゼフィーヌをはじめ、登場人物の衣装が非常に細かく描きこまれており、美しさが引き立ちます。

Coproduction 8K NHK- Musée du Louvre
奥の席に、式の様子をデッサンする作者のジャック=ルイ・ダヴィッドも描かれていました。

Coproduction 8K NHK- Musée du Louvre
《サモトラケのニケ》は紀元前190年頃に作られたギリシャ彫刻の傑作です。19世紀後半、エーゲ海のサモトラケ島で出土した約110個の破片から3㍍を超える像に復元されました。

Coproduction 8K NHK- Musée du Louvre
ロードス島産の大理石の台座の上に乗っているので、実際にルーブル美術館に行っても翼を間近で見ることはできません。しかし、映像では石とは思えない柔らかな羽を1枚1枚まで鑑賞することができます。

Coproduction 8K NHK- Musée du Louvre
このほか、「神の手を持つ画家」と言われたヤン・ファン・エイクの《宰相ロランの聖母》では、画面右上で美しい翼を広げた天使が、聖母マリアにきらびやかな冠を被せようとしています。

Coproduction 8K NHK- Musée du Louvre
実際に描かれた冠は10㌢足らずですが、拡大すると描きこまれた輝く宝石の魅力がぐんと増します。そのほか背景の1㍉ほどの人までも丁寧に描いていたことには感動さえ覚えました。
監修者の三浦篤・東大大学院教授は「最初はルーブルに行けない方に見てもらうためのものかと思っていたが、ルーブルに行っても見られないものも見られるので、広い範囲の方に十分楽しんでもらえると思います」と来場を呼びかけます。(美術展ナビ編集班・若水浩)
「8Kだから見えてくる ルーブル美術館 空間を超えた映像アート体験」 |
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会場:NTTインターコミュニケーション・センター(東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階) |
会期:2023年2月14日(火)~2月26日(日) |
開館時間:午前11時~午後6時 ※入館は閉館の30分前まで |
休館日:2月20日(月) |
入場無料。日時指定制(予約は下記HPなどから) |
詳しくは、同センターHP |