【開幕】「三井家のおひなさま」三井記念美術館で4月2日まで

三井家のおひなさま
会場:三井記念美術館(東京都中央区日本橋室町2-1-1三井本館7階)
会期:2023年2月11日(土)〜 4月2日(日)
休館日:月曜日、2月26日(日)
入館料:一般1,000円/大学・高校生500円/中学生以下無料
詳しくは美術館公式サイト(https://www.mitsui-museum.jp)へ。

開幕前日の内覧会を取材

日本橋に春を告げる「三井家のおひなさま」展が三井記念美術館で2月11日から4月2日まで開かれます。江戸〜明治時代のミニチュア「銀製雛道具」の緻密な技に目を見張りました。

手前)銀製雛道具 江戸~明治時代・19世紀 奥)有職雛 江戸時代・19世紀 いずれも三井記念美術館蔵

さすが豪商三井家のラインナップです。三井家に嫁いできた大名出身の女性や三井家に生まれた娘ら、人形の持ち主それぞれのヒストリーも興味深かったです。

北三井家11代高公氏の長女浅野久子氏のひな人形・ひな道具。内裏雛などは五世大木平蔵製(昭和9年) 三井記念美術館蔵
次郎左衛門雛 明治時代・19~20世紀 三井記念美術館蔵 北三井家10代高棟夫人苞子氏の旧蔵品
北三井家11代高公夫人の鋹子氏の段飾り用雛人形(2代永徳齋製、明治~大正時代・20世紀)三井記念美術館蔵
御所人形 大名行列 三井高宣所用 五世大木平蔵製 昭和8年(1933年)個人蔵

特集展示「近年の寄贈品」

右:河鍋暁斎筆「花見の図」 明治時代・19世紀 左:伝 円山応挙筆「雷図」江戸時代・18世紀 いずれも三井記念美術館蔵 個人寄贈 

特集展示「近年の寄贈品」では、河鍋暁斎(右)の隣に並ぶ伝 円山応挙の「雷図」に注目。学芸員さんによると、この絵は、南三井家9代三井高徳が明治37年(1904年)に購入したものでした。高徳は、応挙の研究を熱心にしており、ついに研究の成果をまとめた本の原稿を書き上げました。しかし、大正12年(1923年)の関東大震災で、その原稿は被災してしまいました。一から原稿を書き直す気力を失ったのでしょうか、結局、応挙の本の出版は、かなわぬ夢となりました。

ミュージアムショップにはひな祭りグッズ

収蔵品展のため展覧会オリジナルグッズは見当たりませんでしたが、ミュージアムショップには、ひな飾りグッズがたくさん並んでいました。

また、東京では例年、江戸東京博物館(2022年4月から2025年度中まで大規模改修工事のため長期休館中)で開かれていたNHK大河ドラマ特別展が、今年は、三井記念美術館で4月15日から6月11日まで開催されます。

(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)