【プレビュー】北澤美術館開館40周年記念特別展「エミール・ガレとドーム兄弟」、2月16日(木)から日本橋三越本店で

アール・ヌーヴォーからアール・デコのガラス工芸の美術館として世界的に知られる長野県諏訪市の北澤美術館の開館40周年を記念した特別展「エミール・ガレとドーム兄弟」が2月16日(木)から、東京・日本橋三越本店で開かれます。

北澤美術館は1983年、キッツ(旧・北沢バルブ)の創業者・北澤利男氏が長野県諏訪湖畔に開館しました。北澤氏がガラス工芸作品の収集を始めたのは、1980年代初頭に日本橋三越本店で開かれた国内初のアール・ヌーヴォー展を訪れ、この潮流を代表する工芸家、エミール・ガレ(1846-1904)の作品に感銘を受けたのがきっかけでした。
現在、約1000点のコレクションを誇る同館から、ガレの不朽の名作脚付杯《フランスの薔薇》や、ドーム兄弟の花瓶《蜘蛛に刺草》をはじめ優品約90点が展示されます。


エミール・ガレは、フランス北東部ロレーヌ地方のナンシー生まれ。19世紀末の芸術潮流アール・ヌーヴォーを代表する工芸家です。ガラスと陶器、高級家具の製造を手掛け、1889年と1900年のパリ万博でグランプリを受賞しました。経営者の顔に加え、植物研究に情熱を傾けた一流の文化人でもあり、花々や昆虫など生き物の姿に宿る生命の輝きをガラスに表現することで、工芸を芸術の水準に導いた創作活動が高く評価されました。1904年58歳で世を去った後は、妻らが会社を引き継ぎましたが、世界大恐慌の影響で会社は解散となりました。

ガレと同じナンシーでガラス工場を経営し、良きライバルとして活躍したガラス工芸家がドーム兄弟です。兄弟の父、ジャンは、普仏戦争で故郷を追われた先のナンシーでガラス工場の経営者となります。ドーム社は日用雑器を手掛ける工場でしたが、息子の代になりアール・ヌーヴォーの先駆者ガレの活躍にも刺激され、高級工芸ガラスの分野に進出します。
兄オーギュスト(1853-1909 )が経営を担い、弟アントナン(1864-1930)が芸術部門の総監督となり二人三脚で歩みを重ねました。1900年パリ万博で、ガレと同時にグランプリを受賞し国際的な名声を博し、翌年に「芸術産業地方同盟」(ナンシー派)を結成し、ロレーヌ地方の工芸の振興に力を尽くしました。1982年にドーム家は経営から退きましたが、会社は現在も続いています。
北澤美術館開館40周年記念特別展「エミール・ガレとドーム兄弟」 |
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会場:日本橋三越本店 本館7階 催物会場(東京都中央区日本橋室町1-4-1) |
会期:2023年2月16日(木)~2月27日(月) |
営業時間:午前10時~午後7時 (最終日は午後6時まで)※入場は終了30分前まで |
入場料:一般1,000円、大学生500円(高校生以下無料) |
詳しくは同店HP |