【プレビュー】特別展「初代 志野宗信没後五百年記念-香道 志野流の道統-」3月4日(土)より京都・細見美術館で

室町時代の志野宗信(1443-1523)が創設し、500年以上にわたって作法や精神を守り継いできた類稀な香文化である「香道」を紹介する特別展「初代 志野宗信没後五百年記念-香道 志野流の道統-」が3月4日(土)から、京都の細見美術館で開かれます。
日本の香文化は、595 年、淡路島に香木が漂着したことから始まったとされています。仏教儀礼で香木は多用され、平安時代には貴族たちが香料を調合することで財力や高いセンスをアピールしました。また、遣唐使の廃止で国風文化が盛んになると、日本独自の「香の道」がつくりあげられてきました。
そして、室町幕府八代将軍の足利義政に仕えた志野宗信によって香道の基礎が作られ、志野流は現在まで500年以上にわたり20人の家元によって継承されてきました。現在は、 パリ、上海、ボストンなど含め国内外に広く発信、 日本文化の保護、 また、世界との文化交流の一翼を担っています。
江戸時代には、京都だけにとどまらず、徳川将軍家庇護のもと、全国の武家や江戸城大奥、公家、僧侶から庶民にまで親しまれ、高雅な芸道として成熟します。
今年は細見美術館開館25周年にあたり、志野宗信の500回遠忌を迎える年でもあります。この記念すべき年に、香道の歩みを振り返り、貴重な名香と香りにまつわる美術工芸品の数々に触れてみてはいかがでしょうか。(美術展ナビ編集班)
【展示構成】
第1 章「 香道」の世界
世界にも類のない香りの総合芸術「香道」を、様々な道具を通して紹介します。

第2 章「志野流」の世界
志野流歴代家元にまつわる名香・香道具の展示を通して、志野流の伝統を紹介します。

第3 章「香木」の世界
志野流歴代家元20人が人生をかけて守り伝えてきた名香たちを特別展示します。
足利義政の命により、将軍家所持の名香百八十種が分類され、更に三条西実隆所持の六十六種を精選し、今日まで日本の香道における規範的な存在として尊重されている「 六十一種名香」が選ばれました。本展では、その中から究極の名香「蘭奢待」が特別展示されます。

第4 章「香道」と日本文化
志野流や細見美術館所蔵の茶道具などから香りの道具を展示します。

特別展「初代 志野宗信没後五百年記念-香道 志野流の道統-」 |
---|
会場:細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町6-3) |
会期:2023年3 月4 日(土)~ 5月31日(水) |
休館日:毎週月曜日(ただし、5 月29 日は開館) |
開館時間:午前10 時~午後5 時(入館は午後4 時30分まで) |
入場料:一般 1,500 円 学生 1,300 円 |
詳しくは、同館HP |