【開幕】「憧憬 丁子紅子 日本画展」2月7日(火)まで、そごう大宮店美術画廊で

《憧憬。》

洗練された線で描かれた独特な女性像で注目が高まっている若手日本画家、丁子紅子ちょうじべにこさん(1991ー)の展覧会が2月7日(火)まで「そごう大宮店」で開かれています。大宮出身の丁子さんにとって、初の地元での個展開催になりました。

丁子さんは、日本画を少しでも身近なものに感じてもらおうと、桐野夏生さんや赤川次郎さんの小説の表紙やCDのジャケットのほか、ファッションブランドとのコラボレーションなどにも幅広く取り組んでいます。

展示風景

昨年6月に出産されましたが、ご家族の協力を得て、精力的に創作を続け、今回の出品30点のうち27点が新作です。

今回のテーマは「憧憬」。コロナ禍で、多くの時間をアトリエで過ごしたことで、着飾ることや美しさというものへの憧れ、羨ましさが日々膨らんでいったといいます。これまでは切れ長の眼と、美しい髪が特徴の女性画がほとんどでしたが、今回は花や月など自然の作品の比率も高くなりました。

 

 

展示風景
展示風景

その理由について「どうしたら絵の具の鉱物の素晴らしさを伝えられるかを考えたら、花や月が伝えやすいと思うようになりました」と話します。女子美大を卒業後は、オーダーメイドのジュエリーデザインの会社に3年間勤めていたこともあり、鉱物の美しさには強いこだわりを持っています。

日本画らしい繊細なタッチを何度も重ねた厚みのある描き方で、立体感にもあふれています。「赤と青の岩絵具の美しさや、絵の立体感は実物を見ないと伝わらないので、ぜひ会場でご覧ください」と呼びかけています。作品の印象は一見、落ち着いていますが、じっくりと味わうと新たな領域に挑戦する熱気が伝わってきます。(美術展ナビ編集班・若水浩)

「憧憬 丁子紅子 日本画展」
会場:そごう大宮店7階美術ギャラリー(さいたま市大宮区桜木町1-6-2)
会期:2023年2月1日(水)~2月7日(火)
会期中無休。入場無料。
営業時間:午前10時~午後8時(最終日は午後5時閉場)
詳しくは同店HP