【プレビュー】「生誕120 年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」 3月18日(土)から富山県美術館で

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「生誕120年 棟方志功展」ポスター

生命力に満ちた力強い版画で「世界のムナカタ」として国際的な評価を得た棟方志功(1903~75)の生誕120年を記念した展覧会が3 月18日から、富山県美術館で始まります。

棟方志功ポートレート(撮影:原田忠茂)

棟方が居を構えたり、創作の拠点とした富山のほか青森(青森県立美術館)、東京(東京国立近代美術館)の3 地域の美術館が協力し、各地域との関りを軸に、多岐に渡る活動を紹介し、棟方志功がどういった芸術家であったのかを再考します。

《自画像》1964年 パラミタミュージアム蔵

棟方志功の代表作が集結

日本民藝館、棟方志功記念館、青森県立美術館などから、棟方の代表作が集まります。《二菩薩釈迦十大弟子》は、日本民藝館と東京国立近代美術館が所蔵する改刻前後の作品を、会期の前半と後半に分けて紹介します。

《華狩頌》1954年 棟方志功記念館

《華狩頌》も名品のひとつ。自著『板極道』で「花を狩るこころおもいで板画しました。けものを狩るには、弓とか鉄砲とかを使うけれども、花だと、心で花を狩る。(中略)弓を持たせない、鉄砲を持たせない、心で花を狩るという構図で仕事をしたのです」と記しています。

福光ゆかりの名品

富山県には1945 年4 月に福光ふくみつ町(現・南砺市)へ疎開し、6 年8 か月間を過ごしました。この期間に、版画や倭画やまとが(肉筆画)の重要な作品を制作し、創作活動の転機となりました。

福光からは、倭画の傑作である《華厳松(稲妻牡丹芍薬図)》(躅飛山ちょくひざん 光徳寺蔵)、福光駅から光徳寺までの道のりを描いた《法林経水焔巻》(個人蔵)、棟方が福光駅のために揮毫した書作品《無事》(福光美術館蔵)が展示されます。

版画の超大作

棟方は、1942 年以降、自身の版画を「板画はんが」と記すようになりました。これには、「板の生まれた性質を大事に」扱うという思いが込められており、自身の作品が一般的な版画とは別物であるという意識を抱いていたことを示しています。棟方の板画には、私たちが通常思い浮かべる版画を逸脱、超越する作品が少なくありません。

《花矢の柵》1961年 青森県立美術館蔵

《花矢の柵》は青森県庁新庁舎の落成を記念して作られた幅7メートルの大作です。

富山美術館の広々とした贅沢な空間で、《東北経鬼門譜》(日本民藝館蔵)、《門舞男女神人頌》(個人蔵)、《大世界の柵》(棟方志功記念館蔵)などの大作が、より一層楽しめそうです。

多岐に渡る活動

《大和し美し》「倭健命の柵」1936年 日本民藝館蔵
《ホイットマン詩集抜粋の柵》「Some Poems By Walt Whitman」1959年 棟方志功記念館蔵

棟方は板画、倭画、油彩画と言った様々な領域を横断しながら、本の装丁や挿絵、包装紙などのデザインの仕事も数多く行いました。本展では棟方が手掛けた貴重な装丁本も数多く展示し、棟方のデザイン感覚や、時代や人との関わりも紹介されます。

富山県美術館で開催された後は、棟方が生まれ育った青森と、富山の疎開先から転居して生涯を終えるまで過ごした東京で巡回展が行われます。

2023年7月29日(土)〜9月24日(日) 青森県立美術館
2023年10月6日(金)〜12月3日(日) 東京国立近代美術館

「富山県美術館開館5 周年記念 生誕120 年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」
会場:富山県美術館(富山市木場町3-20)
会期:2023 年3 月18 日(土)~5 月21 日(日)
休館日:毎週水曜日(5 月3 日は開館)
開館時間:9 時30 分~18 時00 分(入館は17 時30 分まで)
観覧料:前売り一般:1,200 円 一般:1,500円、大学生:1,000円、高校生以下無料
※一般前売券の販売は、3 月17 日(金)まで
詳しくは、同展HP

(美術展ナビ編集班)