【プレビュー】「名刀 江雪左文字―江雪斎、家康、頼宣が愛した刀の物語」ふくやま美術館で2月4日から 国宝刀剣9点を展示

福山城築城400年記念協賛事業 特別展「名刀 江雪左文字―江雪斎、家康、頼宣が愛した刀の物語」
会場:ふくやま美術館(広島県福山市西町2-4-3)
会期:2023年2月4日(土)~3月19日(日)
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜日
観覧料:一般1,000円/高校生以下無料
アクセス:JR福山駅福山城口(北口)から西へ400m
詳しくは美術館公式サイト
国宝《太刀 銘筑州住左(号江雪左文字)》南北朝時代(14世紀)ふくやま美術館蔵(小松安弘コレクション)

ふくやま美術館が所蔵する国宝「太刀 銘筑州住左(号江雪左文字)」の歴代の所有者に注目する特別展「名刀 江雪左文字―江雪斎、家康、頼宣が愛した刀の物語」が2月4日から、広島県福山市のふくやま美術館で開催されます。
福山市に本社がある株式会社エフピコ創業者の故小松安弘氏が所有し、2018年(平成30年)にふくやま美術館に寄贈された国宝7口を含む日本刀14口を、それぞれの拵(こしらえ)とともに全期間展示します。本展では、国宝9点、重要文化財11点を含む53点の刀剣や貴重な資料などが展示されます。

◇小松安弘コレクションの国宝刀剣7口
・国宝「太刀 銘筑州住左(号江雪左文字)」
・国宝「太刀 銘正恒」
・国宝「太刀 銘吉房」
・国宝「太刀 銘国宗」
・国宝「太刀 銘則房」
・国宝「短刀 銘国光(会津新藤五)」
・国宝「短刀 銘左 筑州住(号じゅらく(太閤左文字))」
◇そのほか展示される国宝
・国宝「短刀 無銘正宗(名物九鬼正宗)」 林原美術館蔵
・国宝「短刀 無銘貞宗(名物寺沢貞宗)」 国(文化庁保管)

一つの太刀が天下の名刀になっていく過程

和歌山県指定文化財「紅地桃文様金糸入繻珍陣羽織」江戸時代(17世紀)紀州東照宮蔵

本展では、国宝「江雪左文字」の歴代の所有者に光をあて、ひとつの刀が、天下の名刀となっていく道のりを追体験できます。

江雪左文字は、南北朝時代に筑前国の刀工である左文字によって作られた太刀です。号の由来となった「江雪」とは、後北条氏の家臣であった板部岡江雪斎(いたべおか・こうせつさい、1536~1609年)のこと。江雪斎は北条氏滅亡後に、豊臣秀吉の御伽衆となりました。秀吉の死後には、徳川家康に仕えており、この刀は家康が所有することになりました。
さらに、家康は十男で紀州徳川家初代の徳川頼宣に「江雪左文字」を与え、頼宣はこの太刀をもって大坂の陣の初陣に臨んだと伝えられています。
その後、江戸時代を通じて、紀州徳川家に伝わってきましたが、昭和9年(1934年)に売却され、その後、小松安弘氏の所有となり、平成30年(2018年)に、そのほかのコレクションとともに、ふくやま美術館に寄贈されました。

「黒塗鮫皮包鞘打刀拵」桃山時代(16世紀)ふくやま美術館蔵

また、ふくやま美術館では江雪斎や家康が所有していた当時の桃山時代の古い拵=画像上=を刀とともに保管していますが、本展に伴う調査で、所在が分からなかった頼宣が作らせた別の拵の一部だった柄や鍔が再発見され、会場で「再会」を果たすことになりました。
(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)