【開幕】初期伊万里の素朴な魅力あふれる名品たち 「開館35周年記念特別展 初期伊万里・朝鮮陶磁」(東京・戸栗美術館)

(右)《染付 扇面文 鉢》 伊万里 江戸時代(17世紀前期) 口径44.2㎝

開館35周年記念特別展 初期伊万里・朝鮮陶磁

  • 会期

    2023年1月15日(日)3月26日(日) 
  • 会場

  • 観覧料金

    一般1,200円/高大生500円

    ※中学生以下は入館料無料

    ※1月15日(日)から29日(日)までh、新成人は入館料無料。受付にて年齢がわかるものをご提示ください。

  • 休館日

    月曜日・火曜日 ※3月21日(火・祝)は開館

  • 開館時間

    10:00〜17:00 (入館受付は16時30分まで)※金曜・土曜は10時~20時(入館受付は19時30分まで) 
  • カレンダーへ登録

周年記念の特別展の最後を飾る「開館35周年記念特別展 初期伊万里・朝鮮陶磁」が戸栗美術館(東京都渋谷区)で開幕しました。

第1展示室より初期伊万里の大皿

戸栗美術館創設者である戸栗亨氏(1926~2007)は、「古伊万里のコレクションで日本一になる」という目標を掲げ、同館のコレクションの礎を築きました。鑑賞用の陶磁として端正な作品の評価が高い中、「初期伊万里」のもつ陶工たちの息吹が感じられるような作品も精力的に蒐集し、今回の展示作品の核が形成されていったのです。
展示室に並ぶ「初期伊万里」には、手描きならではの愛着ある絵付けが見ていて楽しいものばかり。《染付 吹墨白兎文 皿》には、干支の「兎」があしらわれています。兎・雲・短冊の形に切った型を置き、呉須(ごす)を吹き掛けて白抜き文様を浮かび上がらせるという、吹墨(ふきずみ)の技法を用いています。実は兎があしらわれた作品が他にも2点あるので、ぜひ会場で探してみてください。

《染付 吹墨白兎文 皿》 伊万里 江戸時代(17世紀前期) 口径21.0㎝

陶工たちは、技術は朝鮮半島から、文様は憧れの中国磁器のものを見様見真似で模索していったそうです。絵付けの楽しさももちろんですが、造形についても創意工夫が見られます。仕切りの畝を残して面取りした、初期伊万里に多く見られる鎬形の瓶は初期伊万里を知る上で貴重な作品群とのことです。
是非注目していただきたいのが《染付 唐草文 人物鈕中次》。人の形を模したつまみがとてもユーモアあふれ、絵付けの色合いも工夫されたとても凝った逸品です。

《染付 唐草文 人物鈕中次》 伊万里 江戸時代(17世紀前半) 通高9.2㎝

さらに、「始まりというものは大事なものだ」という戸栗亨氏の理念から、伊万里焼の祖である朝鮮の陶磁器へも愛着があったということから、後半では「朝鮮陶磁」を紹介。高麗青磁や粉青、鉄絵、白磁、青花など、少数ながらも体系を意識した素朴な美しさの作品が並びます。

第3展示室より高麗青磁
白磁 壺 朝鮮 朝鮮時代(17世紀末~18世紀初) 高36.1㎝

この朝鮮陶磁コレクションが約30点というボリュームで一堂に会するのは、15年ぶりとのこと。100点以上が並ぶ本展で、初期伊万里、朝鮮陶磁の素朴な魅力をぜひ味わってみてください。
3月26日まで。