【開幕】「揃い踏み 細川の名刀たち」永青文庫で5月7日まで 古今伝授の太刀など8年ぶりに国宝4口勢揃い 歌仙兼定は独立展示ケースで

揃い踏み 細川の名刀たち―永青文庫の国宝登場― |
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会場:永青文庫(東京都文京区目白台1-1-1) |
会期:2023年1月14日(土)~5月7日(日) |
休館日:月曜日 |
入館料:一般 1300円、大高生 800円 |
アクセス:JR目白駅・副都心線雑司が谷駅よりバス「目白台三丁目」下車徒歩5分、有楽町線江戸川橋駅より徒歩15分、東西線早稲田駅より徒歩15分など |
オンラインによる日時指定予約制。 予約無しの来館は時間枠の定員に空きがある場合に限り入館可能 詳しくは永青文庫のHP(https://www.eiseibunko.com/)へ |
内覧会を取材しました
「揃い踏み 細川の名刀たち 永青文庫の国宝登場」(東京・永青文庫)が1月14日開幕します。古今伝授の太刀、名物庖丁正宗など国宝4口をはじめ歌仙兼定など名刀がずらり。
国宝「生駒光忠」
国宝刀剣全4口が勢揃いするのは約8年ぶり。これらは熊本藩伝来ではなく永青文庫設立者の細川護立(1883〜1970年)が収集したもの。
国宝「生駒光忠」は、10代の護立が母親に三百何十円のお小遣いを前借りして入手したという最初期のコレクション。収集エピソードも規格外です。

国宝「古今伝授の太刀」
戦国武将で細川家初代、また古今和歌集の奥義の継承者でもあった細川幽斎(藤孝)は「関ヶ原の戦い」に際して、東軍に属し居城の田辺城(京都府舞鶴市)に立てこもり西軍をぎりぎりまで引きつけました。関ヶ原の戦いの直前で開城したものの、家康の勝利に大きく貢献しました。時の後陽成天皇は、幽斎が討ち死にすることで古今伝授が途絶えることを恐れ、公家の烏丸光広らを開城(講和)の勅使として送りました。講和が成り、幽斎が烏丸に贈ったのが国宝「古今伝授の太刀」です。その後、300年を経て細川家に戻ってきました。細川護立が40年にわたり入手を宿望していた名刀です。

国宝「名物庖丁正宗」
相模国鎌倉の刀工・正宗。細川護立は、夢にまで出るほど正宗の「沸(にえ)」の美しさに惹かれました。国宝の短刀「名物庖丁正宗」に見られる無数の粒子は夜空に瞬く星のようです。

国宝「日本一則重」
正宗と同門で短刀の名手則重の国宝「日本一則重」はその名の通り、刀工の最高傑作。細川護立はぜひ機会があれば入手したいと価格を聞かずに購入を決めたそうです。

歌仙兼定
刀剣乱舞でも人気の歌仙兼定は独立した展示ケースで展示されており、ぐるりと見ることができます。

グッズも充実
グッズはこのようなラインナップ。歌仙兼定原寸ポスター(500円)にも掲載されていますが、今回新たに採拓された「押形」(刃文を模写などして記録)がグッズのモチーフに反映されているのが注目です。販売は混雑緩和のため別館にて。
1月14日(土)から5月7日(日)まで、オンラインによる日時指定予約制。比較的長い期間の開催で、展示替えはありませんので、余裕を持った鑑賞スケジュールを計画してみてはいかがでしょうか。
(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班 岡本公樹)