【開幕】「富嶽・日本の富士 絹谷幸二展」1月25日(水)まで、東京・日動画廊本店で

長野冬季五輪の公式ポスターのほか、豊かな色彩の富士山で知られる日本を代表する洋画家、絹谷幸二さんの文化勲章受章を記念した個展「富嶽・日本の富士 絹谷幸二展」が1月11日(水)から、東京・銀座の日動画廊本店で始まりました。
絹谷さんは1943年、奈良県生まれ。東京藝術大学大学院を経て、71~73年にイタリアに留学して、アフレスコ(壁画技法)を深めました。帰国後の74年に、画家の登竜門である安井賞を当時の最年少で受賞。97年には、人間を讃える長野冬季五輪の公式ポスターの原画を制作したことでも知られます。古典をはじめ様々な技法を駆使して、豊かな色彩でエネルギーにあふれた独自の画風を確立しています。昨年は文化勲章を受章しました。

本展では、絹谷さんが「何枚描いても飽きない」という「富士山」をテーマとした近作・新作約50点を展示しています。正月にふさわしい、めでたい画題であるとともに、日本の最高峰は文化勲章に輝いた絹谷さんにも重なります。

少年時代から奈良の実家の料亭に集う書画や詩文を愛する大人たちから絵を教わり、興福寺の境内を遊び場として育った絹谷さんにとっては、仏像は身近に親しんできた題材です。

《天空富嶽龍虎武勇》では、空高く飛びかかる地の王者の虎と、空を支配する龍がダイナミックに躍動しています。青や赤や金の鮮やかな色彩は、見る人の心を躍らせます。

こちらの絵は、薔薇がテーマで富士山ではないようですが…。

よく見ると、花瓶に富士山が描かれていました。湖の上にはヨットが何艇も浮かんでいます。今回の展覧会にはすべて富士山が描かれています。主役ばかりではなく、わき役の富士山もお見逃しなく。
日動画廊本店
会場の日動画廊本展は、4年後に開廊100周年を迎えます。その記念事業の第一弾にふさわしい華やかな展覧会となりました。銀座の画廊というと敷居が高そうですが、1928年創業の老舗は廊内も広々としており、貴重な絵をゆっくりと楽しむことができました。銀座に行く機会がある時は、一度足を運ばれてはいかがでしょうか。(美術展ナビ編集班・若水浩)
「富嶽・日本の富士 絹谷幸二展」 |
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会場:日動画廊本店(東京都中央区銀座5-3-16) |
会期:2023年1月11日(水)~1月25日(水) |
休廊日:日曜日 |
開館時間:平日 10時半~18時半、土曜日 11時~18時(最終日は17時まで) |
入場無料 |
詳しくは、同画廊HP |