【プレビュー】「リュイユ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション」京都国立近代美術館で1月28日から 「リュイユ」の歴史をたどる日本初の展覧会

「リュイユ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション」 |
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会期:2023 年 1 月 28 日(土)~ 4 月 16 日(日) |
会場:京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町26-1 ) |
開館時間:午前 10 時~午後 6 時 ※入館は閉館の 30 分前まで ※金曜日は午後 8 時まで開館(2 月 3 日、 2 月 10 日、 4 月 14 日を除く) |
観覧料:一般:430円、 大学生:130円 |
休館日:月曜日 |
アクセス:市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ、または地下鉄東西線「東山」駅下車、徒歩約10分 |
詳しくは同館の展覧会HPへ。 |
「リュイユ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション」が京都国立近代美術館で1月28日(土)から4月16日(日)まで開催されます。
「リュイユ」とは、フィンランドの伝統的な織物です。フィンランドのアイデンティティが表れたアートテキスタイルとして古くから親しまれ、16世紀にはすでに寝具として用いられていました。本展は、リュイユの著名なコレクションである「トゥオマス・ソパネン・コレクション」から約40点を展示し、リュイユの歴史をたどります。リュイユをまとめて見られる日本初の展覧会です。
1950年代以降に制作された作品を中心に
本展では、リュイユが「フィンランド・デザイン」として国際的な評価を高めていった1950年代以降の作品を中心に紹介。エヴァ・ブルンメルやウフラ=ベアタ・シンベリ=アームストロム、リトヴァ・プオティラなど、50年代以降に活躍したデザイナーの代表作を見ることができます。



パリ万博のためにデザインされた《炎》も
また、1900年のパリ万博でフィンランド館を彩った《炎》(1983年に再制作)も展示されます。曲線的で左右非対称のモティーフが大きく配置されたこのデザインは、画家のアクセリ・ガッレン=カッレラによって生み出されました。《炎》は、リュイユの歴史のなかの新たなデザインとなり、1917年に実現するロシアからの独立を視野に、ナショナル・ロマンティシズムの一端を担います。

会場で堪能したい絶妙な色彩表現

リュイユの魅力のひとつが色彩表現。微妙に異なる色の糸を点描のように組み合わせることで、複雑な色調を実現しています。


さらに近年は、ウールのみならず、リネンやヴィスコースなど異なる質感の素材を用いて、より複雑な表現へと展開しています。リュイユの色面が醸し出す柔らかさ、あたたかさは、実物と対峙することでこそ味わえるもの。ぜひ展覧会場で作品と向き合い、近づいたり離れたり、様々な角度から眺めたりしながら、リュイユならではの色彩を堪能してみてはいかがでしょう。ちなみに、すべての作品が一点一点手織りで制作されたもの。本展をとおして、手仕事の奥深さも改めて実感できるはずです。
(読売新聞美術展ナビ編集班)
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