【関西】2023年のおすすめ展覧会30選 大阪の日本画や親鸞、ゴッホ・アライブ、ルーヴル美術館展も

2022年は、大阪中之島美術館のオープンをはじめ「兵馬俑と古代中国」「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」など、関西でもアートの話題が大いに盛り上がりました。2023年も引き続き、魅力的な展覧会が目白押し。2023年にぜひ訪れたい関西の展覧会を30展セレクトし、開幕順に紹介します。関西にお住いの方はもちろんのこと、全国の注目展を巡りたい方も、ぜひ参考にしてください。

1 インド近代絵画の精華―ナンダラル・ボースとウペンドラ・マハラティ

神戸市立博物館 1月14日(土)~3月21日(火)

日印国交樹立70周年を記念して、ニューデリー国立近代美術館のコレクションによるインド近代絵画の展覧会を開催。インドの近代美術を代表する画家、ナンダラル・ボース(1882年~1966年)とウペンドラ・マハラティ(1908年~1981年)の作品に焦点を当てます。日本画との関連も考えながら、インド近代絵画の魅力にふれられる貴重な機会です。

2 大阪の日本画

大阪中之島美術館 1月21日(土)~4月2日(日)

明治から昭和までの近代大阪の日本画に光をあて、北野恒富、島成園、菅楯彦、矢野橋村をはじめ、50名を超える画家の作品を約150点展示。大阪の街で育まれた個性豊かな作品が展示室を彩ります。作品が生まれた背景にも着目し、作品の魅力や画壇のあり方を深く知るとともに、今につながる大阪の街の文化をひも解きます。

3 川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり

滋賀県立美術館:1月21日(土)〜3月26日(日)

滋賀県生まれの写真家・川内倫子(1972年~)の大規模個展。東京オペラシティ アートギャラリーでの開催を経て、故郷の滋賀に巡回します。これまでに発表したシリーズを織り交ぜつつ、地球との繋がりをテーマとする新しいシリーズの「M/E」に、コロナ禍における日常を撮影した新作などを加えて紹介。また、本展開催にあわせて、滋賀県立美術館の展示室2では1月11日(水)〜5月7日(日)に川内倫子の特集展示も開催されます。

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4 ピカソとその時代

国立国際美術館(大阪市) 2月4日(土)~5月21日(日)

ドイツ生まれの美術商ハインツ・ベルクグリューン(1914年~2007年)が築きあげたコレクションを紹介します。彼が敬愛したピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティなど97点が来日し、うち76点が日本初公開です。

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5 リュイユ―フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション

京都国立近代美術館 1月28日(土)~4月16日(日)

フィンランドの伝統的な織物「リュイユ」の歴史をたどる日本初の展覧会です。リュイユの著名なコレクション「トゥオマス・ソパネン・コレクション」から選りすぐりの作品約40点を紹介。 繊細な色彩や異なる素材を組み合わせたテキスタイル表現など、リュイユの魅力のひとつである「 色彩表現」の魅力を体感できるでしょう。

6 甲斐荘楠音の全貌―絵画、演劇、映画を越境する個性

京都国立近代美術館 2月11日(土)~4月9日(日)

大正から昭和にかけて活躍した日本画家・甲斐荘楠音かいのしょうただおと(1894年~1978年)の全貌にせまる展覧会。甲斐荘は、人間を生々しく描き出す画風から「京都画壇の異才」とも呼ばれますが、映画界へ転身し、風俗考証等で活躍したことはあまり注目されてきませんでした。本展は、甲斐荘の作品だけではなく、甲斐荘が手がけた映画衣裳、スケッチ、スクラップブック、ポスターなどをとおして、映画人・演劇人としての側面を含めた甲斐荘の全体像を明らかにします。

7 ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者

美術館「えき」KYOTO 2月17日(金)~3月26日(日)

アール・ヌーヴォーの代表的な画家であるアルフォンス・ミュシャ(1860年~1939年)は、「ジスモンダ」をはじめとするポスター作品で有名ですが、実は幅広いジャンルで活躍しました。本展では、ポストカード、お菓子や香水のパッケージ、宝飾品などミュシャのデザインの仕事に着目。チェコ在住のズデニェク・チマル博士のコレクションから、多様なミュシャ作品約160点を紹介し、マルチ・アーティストとしてのミュシャの素顔にせまります。

8 藤田嗣治展

山王美術館(大阪市) 3月2日(木)~7月31日(月)

2023年、藤田嗣治(1886年~1968年)がはじめてパリへ渡ってから110年目となります。本展では、40点におよぶ山王美術館の「藤田嗣治コレクション」を全公開。初公開となるパリ留学前の作品など、初期の作品に焦点をあて、藤田が画風を確立するまでの変遷をたどります。

9 恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造

兵庫県立美術館 3月4日(土)~5月14日(日)

恐竜をはじめとする古代生物のイメージの歴史を概観。19世紀に描かれた恐竜などの復元図や、20世紀にチャールズ・R・ナイトやズデニェク・ブリアンらが描いた躍動する恐竜の絵画作品、漫画・玩具などに登場するイメージ、近年の研究に基づく現代のパレオアート(古生物美術)などを紹介します。太古の世界の住人たちが、いかに人々の想像力を刺激し続けきたかを実感できるはず。

10 「跳躍するつくり手たち:人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー」

京都市京セラ美術館 3月9日(木)~6月4日(日)

人間や地球の歴史を意識しながらアート・デザイン分野で活動する気鋭の20作家の新作などを紹介。過去と未来、自然と人⼯、情報環境と実社会など、さまざまな関係性をつないで再解釈する作品・活動から浮かび上がる「跳躍するエネルギー」は、激動の時代を生き抜くヒントとなるでしょう。企画・監修を務めるのは、デザインを軸にリサーチと思索を重ねてきた川上典李⼦さん(武蔵野美術⼤学客員教授)ら。

11 毒

大阪市立自然史博物館 3月18日(土)~5月28日(日)

怖いけれど、なぜか気になる「毒」の秘密について、各研究分野のスペシャリストが徹底的に掘り下げます。国立科学博物館(東京・上野公園)につづいての開催です。東京展の「徹底ガイド」はこちら。予習にいかがでしょうか。

12 ゴッホ・アライブ

兵庫県立美術館 3月18日(土)~6月4日(日)

世界各地で開催され、850万を超える人が楽しんだという没入型展示「ゴッホ・アライブ」。名古屋での開催を経て、兵庫に巡回します。ゴッホの世界を表す3000点以上の画像を壁や柱、床などに投影して、ゴッホの作品に入り込んだような気分を味わえます。

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13 親鸞 生涯と名宝

京都国立博物館 3月25日(土)~5月21日(日)

浄土真宗を開いた親鸞聖人(1173年~1262年)は、2023年に生誕850年の節目を迎えます。本展では京都西本願寺・東本願寺、三重専修寺などが所蔵する親鸞ゆかりの名宝、約170件が集結。国宝11件、重要文化財約70件を含む史上最大規模の親鸞展として、日本の仏教史に偉大な足跡を残した巨人の歩みを紹介します。

14 デザインに恋したアート♡アートに嫉妬したデザイン

大阪中之島美術館 4月15日(土)~ 6月18日(日)

戦後日本のデザインを追いながら同時代のアートも紹介し、デザインとアートの境界や“重なりしろ”を考えます。「デザイン」という言葉は、いまや私たちにとってなじみ深いものとなりました。本展で作品と向き合い、「これはデザイン?」「こっちはアート?」「そもそもその違いは何?」といった問いを立て、その答えを探すうちに、デザインやアートに対して新たな見方を発見できるかもしれません。

15 佐伯祐三―自画像としての風景

大阪中之島美術館 4月15日(土)~6月25日(日)

国内で指折りの佐伯祐三コレクションをほこる大阪中之島美術館で、満を持しての大回顧展が開催されます(※)。およそ100年前、大阪、東京、パリの3つの街で自らの絵画を追い求めた佐伯祐三(1898 年~ 1928年)。本展では、佐伯が描いた3つの街に注目し、初出品や代表作を含む約140点を一堂に展示します。佐伯芸術の魅力を再発見する、絶好の機会です。

16 ジブリパークとジブリ展

神戸市立博物館 4月15日(土)~6月25日(日)

2022年11月1日に開園した「ジブリパーク」の制作の舞台裏をのぞく展覧会が全国を巡回しています。長野、愛知、熊本につづいての開催。ジブリファン必見の展覧会です。

17 マリー・ローランサンとモード

京都市京セラ美術館 4月16日(日)~6月11日(日)

1920年代のパリは、様々な才能がジャンルを超えて交錯し、大きな成果をもたらした時代でした。この時代に羽ばたいた女性の代表的存在といえるのが、1883年生まれのローランサンとシャネル。本展では、オランジュリー美術館やマリー・ローランサン美術館など国内外のコレクションから、絵画、ドレス、資料など約90点を展示。美術とファッションの境界を交差するように活躍した二人を軸に、ポール・ポワレ、ジャン・コクトー、マン・レイ、マドレーヌ・ヴィオネなど、時代を彩った人々との関係にも触れながら、20世紀初頭のパリの芸術界を俯瞰します。

18 幕末土佐の天才絵師 絵金

あべのハルカス美術館 4月22日(土)~6月18日(日)

謎の天才絵師とも呼ばれる土佐の絵師・金蔵幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風などを残し、地元の高知では「絵金さん」の愛称で親しまれてきました。絵金の作品は、同時代のどの絵師とも画風が異なり、見る者に強烈な印象を与えます。本展では、絵金の個性と魅力を数々の代表作とともに紹介。高知県外では半世紀ぶりの大規模展となります。

19 大名茶人 織田有楽斎

京都文化博物館 4月22日(土)~6月25日(日)

1547年、織田信長の弟として生まれた有楽斎(織田長益)は、信長・秀吉・家康に仕え、晩年には京都・建仁寺の塔頭正伝院を再興します。境内に建てた茶室・如庵(国宝)は多くの茶人を魅了してきました。400回遠忌にあたって、正伝永源院の寺宝を中心に織田有楽斎を紹介します。

20 歌と物語の絵―雅やかなやまと絵の世界

泉屋博古館(京都・鹿ヶ谷) 6月10日(土)~7月17日(月)

泉屋博古館が所蔵する住友コレクションのなかから、江戸時代に描かれた伊勢物語や源氏物語、歌枕の屏風をはじめ、絵巻や扇面などを紹介。鮮やかで濃厚な色彩、おおらかなフォルムと繊細な描き込みが特徴的な「やまと絵」の華麗なる世界を堪能できます。

21 ルーヴル美術館展 愛を描く

京都市京セラ美術館 6月27日(火)~9月24日(日)

ルーヴル美術館の膨大なコレクションからヴァトー、ブーシェ、フラゴナール、ジェラール、シェフェールなど、厳選された70点余りの作品を紹介します。作品に共通するテーマは「愛」。西洋社会における様々な愛の概念が作品にどのように描き出されてきたのかに注目します。本展は、国立新美術館での開催(3月1日から6月12日まで)につづく巡回展です。

22 超絶技巧、未来へ!明治工芸とそのDNA

あべのハルカス美術館 7月1日(土)~9月3日(日)

2019年に同館で開催された「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」をさらに発展させた展覧会。明治工芸のDNAを継承しつつ多様な素材や技法を駆使して、新たな領域に挑む現代作家の新作を中心に紹介します。進化し続ける作家たちが繰り出す超絶技巧の数々を堪能できます。

23 聖地 南山城―奈良と京都を結ぶ祈りの至宝―

奈良国立博物館 7月8日(土)~9月3日(日)

「南山城」(京都府)にある浄瑠璃寺の九体阿弥陀の修理完成を記念する特別展。南山城は、京都府の最南部に位置するとともに、奈良市に隣接します。本展では、奈良との深い関わりのなかで南山城地域が育んだ歴史や文化について紹介します。

24 民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある

大阪中之島美術館 7月8日(土)~9月18日(月・祝)

民藝について「衣・食・住」をテーマにひも解き、暮らしで用いられてきた美しい民藝の品々約130件を展示します。セレクトショップ「BEAMS」のディレクターとして長く活躍し、現在の民藝ブームに大きな役割を果たしたテリー・エリス/北村恵子による、現代のライフスタイルと民藝を融合したインスタレーションも見どころのひとつです。約100年前に柳宗悦が説いた生活の中の美、民藝とは何か。民藝の現在にいたるまでの広がりと、これからを展望します。

25 竹久夢二のすべて~画家は詩人でデザイナー

福田美術館(京都・嵯峨嵐山) 7月14日(金)~10月9日(月・祝)

福田美術館が所蔵する竹久夢二作品を一挙に公開。美人画はもちろんのこと、俳句や詩、小説やイラストなど、夢二の多彩な魅力に焦点をあてます。全国巡回予定。

26 若冲と応挙

相国寺承天閣美術館(京都市) Ⅰ期:9月10日(日)~11月12日(日) Ⅱ期:11月19日(日)~24年1月28日(日)

相国寺と伊藤若冲の関係を中心に、塔頭たっちゅう伝来の作品も紹介します。Ⅰ期では円山応挙《七難七福図巻》(重文)全三巻を公開、Ⅱ期では伊藤若冲《鹿苑寺大書院障壁画》(重文)五十面を公開。

27 特別展 東福寺

京都国立博物館 10月7日(土)~12月3日(日)

新緑や紅葉の名所として絶大な人気をほこる東福寺は、京都を代表する禅寺のひとつ。本展では、東福寺の寺宝をまとめて紹介し、日本の禅文化に大きな影響を与えた東福寺の歴史をひも解きます。実は、東福寺に焦点をあてた展覧会が開かれるのは初めてのこと。東京国立博物館での開催(3月7日〜5月7日)につづく、巡回展です。

28 生誕270年 長沢芦雪

大阪中之島美術館 10月7日(土)~12月3日(日)

「奇想の画家」のひとり長沢芦雪(1754 年~ 1799年)の初期から晩年までの作品を紹介。師・円山応挙の画風を踏襲した初期作品から、指や爪などで筆を使わずに描く指頭画しとうがや酒席などで即興で描いた席画せきがまで、幅広い画業をたどります。無量寺の《龍・虎図襖》(重文)をはじめ、大胆で斬新な構図で描かれた迫力満点の大画面の作品はみどころの一つです。

29 テート美術館展 光― ターナー、印象派から現代へ

大阪中之島美術館 10月26日(木)~24年1月14日(日)

ロンドンのテート美術館のコレクションより「光」をテーマに約120点の作品を厳選して紹介します。ターナーやモネをはじめとするフランス印象派の画家、写真技術をとおして光をあつかったアーティスト、ブリジット・ライリーなどの現代アーティスト。18世紀末から現代までの約200年間におよぶアーティストたちの独創的な創作の軌跡をたどります。

30 決定版!女性画家たちの大阪

大阪中之島美術館 12月23日(土)~24年2月25日(日)

近代大阪の美術の特色として、島成園や木谷千種など女性日本画家が活躍したことが挙げられます。本展は、「島成園と浪華の女性画家」 (2006年)をきっかけとする調査研究に、新たな成果を加えて、大阪で活躍した女性画家の作品と活動の軌跡をたどります。お稽古事や趣味にとどまらず、画家として社会的な成功を夢見る女性たちを後押しした大阪という都市の文化的土壌についても考える機会です。

(読売新聞美術展ナビ編集班)
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