【プレビュー】新収蔵品の中から「革命を起こした作品」を展示――「日本画革命 ~魁夷・又造ら近代日本画の旗手」 福田美術館で1月28日から

山口蓬春《百合》Ⓒ公益財団法⼈JR東海⽣涯学習財団

日本画革命 ~魁夷・又造ら近代日本画の旗手
会場:福田美術館(京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16)
会期:2023年1月28日(土)~4月9日(日)
休館日:火曜休館、ただし3月21日は開館
アクセス:JR山陰線嵯峨嵐山駅から徒歩12分、阪急嵐山線嵐山駅から徒歩11分、京福電鉄嵐山駅から徒歩4分
入館料:一般・大学生1300円、高校生700円、小・中学生400円、障害者と介添え人1人700円、幼児無料。
※会期中、一部展示替えあり
※最新情報は、同館HP(https://fukuda-art-museum.jp/)で確認を。

1800点のコレクションを所蔵する福田美術館。このうち約200点は、国内有数の美術収集家であった山本憲治(1946-2020)氏の所蔵品で、昨年福田コレクションに新しく加わったものだ。明治から昭和時代に活躍した有名画家たちの秀作が揃う新所蔵品の中から、近代日本画壇に革命を起こした画家たちの作品を紹介するのが、今回の展覧会だ。

横山大観・菱田春草《飛泉》(左幅 春草筆、右幅 大観筆)
小林古径《撫子》

展覧会は「第1章:新しい日本画の境地」「第2章:魁夷・又造『2人の山』」「第3章:故郷の風景」の3章構成。まずは「新しい日本画の境地」。近代の日本画には、江戸時代までとは全く異なる価値観による「革命」があった。伝統を継承するだけではなく、誰も表現しなかったような個性を強く発揮したものこそが素晴らしい、とする価値観の転換があったのだ。第1展示室では、近代日本画の先駆けとなった日本美術院を創設し、新しい日本画の創造を推し進めた岡倉天心のもと、展覧会を舞台に先陣を切った横山大観や菱田春草らの作品を展示。さらに、天心の死などにより力を失っていた院展の再興に集った次世代で「院展の三羽烏」と称された安田靫彦、小林古径、前田青邨らの作品を紹介する。伝統を尊んできた京都でも、徳岡神泉や山口華楊などの画家が「革命の旗手」となり、東京と異なる清新な趣を追求しようとした。そんな京都画壇の作品も紹介する。

東山魁夷《緑の朝》
東山魁夷《盛秋》

続いては「魁夷・又造『2人の山』」。戦後の混乱がなお止まぬ、1940年代後半の日本では、伝統的な日本画を否定する「日本画滅亡論」や「日本画第二芸術論」が広がっていた。日本画家たちが躍の場とした日展では、名前に漢字の「山」が含まれる東山魁夷、杉山寧、高山辰雄の3名が「日展三山」と呼ばれ、斬新な作風で注目を集めた。三山には含まれなかったが、同じく「山」の字を名字に持つ加山又造も戦後を代表する画家の一人。第2展示室では、青を基調とした象徴的かつ幻想的な作風で一世を風靡した「魁夷の革命」と、日本画の本質的な装飾美を追求した「又造の革命」を紹介する。

東山魁夷《ヴィラットの運河》

最後の章は「故郷の風景」。今回の展示作品を蒐集した山本氏は、内航海運事業を創業した起業家。瀬戸内海に面した港町、広島・呉の出身で、生まれ故郷である中国地方の画家の作品や、海を主題とした絵画などを多く集めてきた。パノラマギャラリーでは、岡山県笠岡市に生まれ、生涯故郷の風景を描き続けた小野竹喬と、広島県出身の日本画家、奥田元宋の作品を紹介する。

(美術展ナビ取材班)

小野竹喬《浜辺》