【開幕】「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」東京都現代美術館で来年5月28日まで 75年を超える想像の軌跡が凝縮 圧倒的な美の世界で夢見心地に 日本との関係にも注目

クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F / 地下2F (東京都江東区三好4-1-1)
会期:2022年12月21日(水)- 2023年5月28日(日)
開館時間:10:00-18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(1月2日(月)、1月9日(月)は開館)および12月28日(水) – 1月1日(日)、1月10日(火)
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
特別協力 : クリスチャン ディオール クチュール
アクセス:東京メトロ半蔵門線清澄白河駅より徒歩9分、都営地下鉄大江戸線清澄白河駅より徒歩13分
詳しくはDIOR.COM 特設ページ
問合せ先:東京都現代美術館 050-5541-8600(ハローダイヤル / 9:00-20:00 年中無休)/ 03-5245-4111(代表)

1946年、パリのモンテーニュ通り30番地にて創業したメゾン「クリスチャン ディオール」。世界的なオートクチュールのメゾンの先駆けとなり、数々のコレクションやアクセサリーをとおしてファッションの歴史を塗り替えてきました。75年以上にわたるディオールの軌跡を回顧する「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」が12月21日(水)から来年5月28日(日)まで東京都現代美術館で開催されています。開幕前の内覧会を取材しました。

ディオールの原点「ニュールック」

クリスチャン・ディオール(1905年~1957年)は、はじめはクチュリエ(仕立屋)ではなく芸術家を志していました。20代の頃に経営したギャラリーでは、ピカソやブラック、マティスなどの作品を展示していたといいます。その芸術的感性がメゾン創業後も発揮されたことは、想像に難くありません。

手前:「ニュールック」を象徴する“Bar(バー)”スーツ

1947年、最初のオートクチュールコレクション「ニュールック」を発表。生地をふんだんに使用し、曲線美を極めたファッションは、ミリタリールックが主流だった終戦直後のファッション界に衝撃を与え、大ブームを巻き起こしました。本展の序盤では「ニュールック」を象徴する“Bar(バー)”スーツなどを展示。ディオールの原点を実感できる貴重な機会です。

ディオールと日本の関係性に着目

本展は、パリ装飾芸術美術館をはじめ、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館、上海のロング・ミュージアム(西岸館)、ニューヨークのブルックリン美術館などを巡回した国際展。東京展の見どころのひとつが、日本との関係に着目した「ディオールと日本」です。

SUZURKA-SAN(スズルカ – サン)ジョン・ガリアーノ for Christian Dior 2007年春夏オートクチュールコレクション 刺繍とペイント入りのリネン コート ディオール ヘリテージ コレクション(パリ)所蔵

日本文化を愛してやまなかったディオールは、1953年に鐘紡(現・カネボウ)や大丸と契約を結び、ディオールの型紙で服を仕立てる権利を提供。同年、帝国ホテルでファッションショーを開催しました。

展示会場では、長年にわたる「ディオールと日本の絆」を称えて、日本文化からインスピレーションを得たコレクションが一堂に会します。

日本文化からインスピレーションを得たコレクションの展示風景
日本文化からインスピレーションを得たコレクションの展示風景

後継者の手で進化し続けるディオール

1957年にディオールが亡くなると、メゾン ディオールは後継者のクリエイティブ・ディレクターに受け継がれていきます。会場では、イヴ・サン=ローラン、マルク・ボアン、ジョン・ガリアーノなど6人の後継者が考案した作品を、現在から過去へとさかのぼって展示。ディオールの世界観を宿しながら、クリエイティブ・ディレクターの個性も存分に感じられる作品を堪能できます。

ジョン・ガリアーノの作品の展示風景
イヴ・サン=ローランの作品の展示風景

洗練された空間演出で夢見心地に

建築家・重松象平さんが手がけた空間演出が、鑑賞体験をより特別なものにしてくれます。展示空間に足を踏み入れた瞬間、その美しさに度肝を抜かれる人も少なくないでしょう。

特に、高さ約20メートルの空間に夜会用ドレスがずらりと並ぶ「ディオールの夜会」に圧倒。夜空のように移り変わるプロジェクションマッピングがドレスの美しさをさらに引き立てています。

上階から「ディオールの夜会」を眺める
地下から見上げると大迫力

こちらの展示室は、日本庭園をイメージ。天井からは、藤の花の切り絵が無数に垂れ下がります。鏡の上にふわりと立ち並ぶドレスは、まるで水面に浮かんでいるかのよう。別世界に迷い込んだような気持ちになります。

その他、「トワル」(オートクチュール仕立てのための試作品)が並ぶ展示室や、壁から天井までを「レディ ディオール」などが埋め尽くす展示室も印象的でした。

「トワル」がずらりと並ぶ。まるで「ディオールのアトリエ」にもぐりこんだかのよう。
壁から天井までを埋め尽くすレディ ディオールなど

また本展では、東京都現代美術館の所蔵作品や、日本人写真家・高木由利子氏が本展およびポスターのために撮り下ろした写真なども展示。会場を出た瞬間に呆然としてしまうほど、充実の展示内容、圧倒的な美の世界でした。まさに、75年以上にわたってディオールが人々にもたらしてきた「夢」「憧れ」「希望」が凝縮されていると言ってもいいでしょう。

「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」が12月21日(水)から来年5月28日(日)まで東京都現代美術館で開催されています。

(読売新聞美術展ナビ編集班・美間実沙)

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