【プレビュー】「面構 片岡球子展 たちむかう絵画」 1月1日から、横浜・そごう美術館で

《面構 葛飾北斎》 1971(昭和46)年 神奈川県立近代美術館蔵

面構つらがまえ 片岡球子展 たちむかう絵画」
会場:そごう美術館(横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店 6階)
会期:2023年1月1日(日)〜2023年1月29日(日)
休館日:会期中無休
開館時間:午前10時~午後8時(入館は閉館の30分前まで)
※1月1日(日・祝)は午後6時閉館。
※そごう横浜店の営業時間に準じ、変更になる場合がございます。
観覧料:一般1,400円、大学・高校生1,200円、中学生以下無料
詳しくは同館公式サイト
片岡球子肖像写真 ©相澤 實

大胆な構図と鮮やかな色彩の「富士」などを残した日本画家の片岡球子が、歴史上の人物を独自の解釈で表現した「面構」シリーズに焦点を当てた展覧会が、2023年1月1日(日)から、横浜・そごう美術館で行われます。

片岡球子は札幌市生まれ。1926年女子美術専門学校日本画科高等科を卒業後、横浜市の大岡尋常高等小学校(現・横浜市立大岡小学校)に勤めながら創作を続けました。日本美術院の再興第17回院展に25歳で初入選、のちに同人へと推挙され日本画家としての地位を確立しました。1955年に小学校を退職し、母校の女子美術大学日本画科にて教鞭をとり、1966年愛知県立芸術大学開校を機に同校の日本画科主任教授に就任。1989年、文化勲章を受章しました。2008年に103歳で逝去されました。

《面構 安藤広重》 1973(昭和48)年 神奈川県立近代美術館蔵

再興第51回院展より開始した「面構」シリーズは、1966年から2004年までの38年間で44点を出品するライフワークとなりました。「面構は顔だけを描いているだけではなく、その人間が現代に生きていたらどんな風に役立つかなどと、思いながら描いています」という片岡球子の言葉にあるように、「面構」は単に歴史上の人物の肖像ではありません。人間の「魂」を描きたいと考え、取り組み続けた作品です。綿密に取材・推敲を重ね確信をもって血肉のある人間に仕立てあげています。

《面構 足利尊氏》 1966(昭和41)年 神奈川県立近代美術館蔵
《面構 足利義満》 1966(昭和41)年 神奈川県立近代美術館蔵
《面構 足利義政》 1966(昭和41)年 神奈川県立近代美術館蔵

本展では、初公開の片岡球子の小下図やスケッチを展示します。本画と小下図を見比べることで片岡の制作の軌跡を辿ることができます。

また、展覧会に合わせて「面構」を網羅した『面構 片岡球子展 たちむかう絵画』も発売されます。(読売新聞美術展ナビ編集班)

《面構 雪舟》 1996(平成8)年 個人蔵
《面構 浮世絵師歌川国芳と浮世絵研究家鈴木重三先生》 1988(昭和63)年 北海道立近代美術館蔵