【開幕】「YUMING MUSEUM」 ユーミンと一緒に歩んだ半世紀を振り返る 東京シティビューで来年2月26日まで

エントランスに置かれたグランドピアノの前で、会場の展示を見上げる松任谷由実さん

YUMING MUSEUM(ユーミン・ミュージアム)

【展覧会公式サイト】https://yumingmuseum.jp/

一番楽しみにしていたのは「私自身です」

1972年のデビューから半世紀。日本のポップミュージックシーンを一貫してリードしてきたユーミンの足跡をたどる「YUMING MUSEUM(ユーミンミュージアム)」が12月8日、六本木ヒルズ内の東京シティビューで開幕しました。(美術展ナビ編集班 岡部匡志)

ユーミンからは「展覧会は今までにやったことの無い、新たなメディア。この展覧会を一番楽しみにしていたのは、他ならぬ私自身です。みなさまがどう思ってくれるのか楽しみです。東京を抱きしめられるこの場所で、活動と半生を味わっていただけます。一人の女の子がユーミンになって、そしてあり続けるというドキュメントを熱く感じてください。」というコメントが寄せられました。ユーミンのメッセージを動画↓で見られます。

それから音声ガイドには特に注目。本展では明確な章立てをせず、松任谷由実さんが自ら音声ガイドを担当し、ユーミンの案内で展示を巡るという構成。ユーミンが懐かしいエピソードを交えてガイドしてくれます。また今回の音声ガイドでは、1972年のデビューシングルにも収録されている「空と海の輝きに向けて」を10代の頃のユーミンが歌った特別なデモ音源を聴くことができます。

というわけでしっかり音声ガイドを付けて、前日に開かれた内覧会を取材しました。会場ではまず膨大な量の直筆メモの展示で、ユーミンの楽曲の脳内再生が止まらなくなります。

こちらは言うまでもなく♪中央フリーウェイ~♪

会場に入ると、ユーミンとは切っても切り離せない東京の街が一望できます。八王子の家を抜け出して、ティーンエイジャーの頃から闊歩していた飯倉もすぐそば。この展覧会にこれほど相応しいロケーションはないでしょう。そして巧みにディスプレイされた自筆の楽譜や歌詞のメモに目が釘付けです。

創作過程も想像させます。こちらは名曲「あの日にかえりたい」のメモ。タイトル、言葉の選択や順番に試行錯誤した様子が伺えます。例えば、あの印象的なフレーズの「少しだけにじんだアドレス」の原型は「少しだけにじんだ手紙」で、そこから表現を発展させたように読めます。ユーミンの鋭敏な言語感覚や、より明解な世界観を求める姿勢を垣間見た気がします。

行間からユーミンの肉声が聴こえてくるような自筆の歌詞や楽譜の数々。脳内再生だけでたっぷり名曲を堪能できます。

懐かしいアルバムのジャケットが並び、こちらも印象的です。

幼少期から始まるスナップにも見入ってしまいました。時代の移り変わりを映しても、ユーミンの意思の強さを感じる表情は変りません。

ユーミンと言えば華麗なステージ!

ユーミンといえば欠かせないのがエンターテインメント性豊かなステージです。豪華な衣装や大掛かりな装置に目を見張ります。苗場プリンスや逗子マリーナでこれらを見た方も多いでしょう。

実家の暮らしぶりもリアルに

生い立ちの資料も豊富。八王子の呉服屋さんに生まれ、多摩美術大学で絵を学んだのは有名ですね。さすが立派な晴れ着の成人式の写真や、結婚式のお色直しの写真まで見られます。当時の絵画作品も巧みで才能のかたまり、を感じます。ピアノは中央フリーウェイを作った頃に実家で使っていたものだそうです。

このウィッグは、ユーミンが実家を“夜抜け”する際、枕の上に置いて寝ていると偽装するときに使っていたもの。思い出のウィッグをユーミンは今もお菓子の缶に入れて大切に保管していました。
多摩美術大学在学中に描き、実家に残されていた絵画。情景が明確に描かれる歌詞のとおり、視覚表現にもやはり鋭いものを感じます。
実家で弾いていたグランドピアノ。この楽器から「中央フリーウェイ」などの名曲が誕生しました。
成人式や結婚式のお色直しの写真も登場。さすがゴージャズな着物です。

実家編では本棚にも注目しました。あの卓越した言語感覚は、どのような読書で磨かれたのでしょうか。

アガサ・クリスティーや横溝正史など推理小説が目立ちますが、漱石や藤村、龍之介など王道もおさえています。

羽生結弦さんは「春よ、来い」、ビートたけしさんは「ひこうき雲」

各界の著名人がユーミンの名曲の思い出を語るコーナーが味わい深いです。羽生結弦さんは「春よ、来い」でした。納得です。

グッズはシックな味わいのものが中心に。

コラボカフェももちろん楽しめます。

アフタヌーンティーは、「ダイヤモンドダストが消えぬまに」「サーフ天国、スキー天国」など冬の曲のテーマにしたスイーツなどで構成。

コラボレーションの飲み物では、「ルージュの伝言」をイメージして、赤ワインを使ったもの(左)や、「ひこうき雲」から白い青と青空を連想したカクテル(右)などが用意されています。

展示の最後に掲示されたユーミンのメッセージ。まだまだこれからもステキな歌を届けてくれそうです。

「YUMING MUSEUM」は東京シティビュー(六本木)で来年2月26日(日)まで。 半世紀にわたり、日本のミュージックシーンを牽引してきた松任谷由実。時代を作ったその歩みを振り返る過去最大規模の展覧会。映像や衣装、直筆のメモなどを紹介します。概要は↓をご覧ください。